山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

映像制作ノート2005年

ひさしぶりに撮影する

今日もコンセプトを求めて車で走り回っていた。とりあえず『予感』をさらに進展させることは不可能と思っているので「ひとつ戻る」ということで、ふたたびボウリング場のピンオブジェに狙いをつけた。 もちろん取り組んでいるのは、ずっと「地形の映像表現」…

メールマガジンneoneo原稿を書く

毎月1日と15日に発行されているドキュメンタリー映画を中心としたメールマガジンneoneoから原稿依頼があり、今日書いた。4回の連載で「8ミリ映画の生きる場所」と題したものを書く予定。 その第1回目はやはり「東京8ミリシネ倶楽部」のことにしようと思…

見えない、あるいは遮られた中心部を回る

『スターレーンをめぐる円周軌道』は、所沢スターレーンというボーリング場の上に設置されているピンのかたちのオブジェを、かなり離れたところから見える場所を探し、写真に撮ってコマ撮りしてぐるぐる回るという作品だった。 伊藤高志さんの作品(←ホント…

能登勝『夢代九』の文字使いは絶妙

実験映画スタイルの作品で、作品のなかに文字を入れると、たいていは失敗する。失敗というほどではなくても、成功しているとは思えない作品ばかりだ。 しかし横浜トリエンナーレに参加いただいた能登勝『夢代九』はこの点をクリアしている。べつにレクチャー…

『虚港』を思い出す7

添付写真は『グータリプトラ』のもの。ミッキーとミニーの埋葬シーンだ。埋葬というより、もの言わぬぬいぐるみを拷問しているようにも見える。 もともとは『ロビンソンの庭』のなかで、廃墟に出入りする子どもたちがミッキーとミニーを埋葬する遊びをしてい…

『虚港』を思い出す6

「ロシア人の血が3/8」。 このモトネタがどこだったかは忘れてしまった。とにかく「チョット待ってクダさ~い」のおじさんが解説したように「おじいちゃんかおばあちゃんのどちらかひとり+ひいおばあちゃんかひいおじいちゃんのうちのひとり」がロシア人で…

『虚港』を思い出す5

添付画像はラ・カメラでの初公開時のもの。 チラシに使われた画像はちょうどインド風ミュージカルになる直前の場面。これは千葉県勝浦市で撮った。背後に崩れかけた廃材の壁がうつっているけれど、これ、私たちは「川俣正の家」と読んでいた。横浜トリエンナ…

ラ・カメラ上映最終日

最終日、いつものように上映が終わると30秒後には打ち上げの態勢に入る。この日はめずらしく上映した作品の話も適度にしつつ、残った人で知っている人をそれとなく紹介しつつ、知らない人ともお話しつつと、じつにバランスのよい打ち上げになった。なので写…

シネヴィスシネマ2005秋

行ってきました。というか映写してきました。8ミリの牙城のひとつ、シネヴィスシネマ。今回もいろいろな収穫がありましたが、それはおいおい報告したり、次の段階へとつなげていったりすることにしましょう。 添付写真は50ftフィルムコンペでのもの。この右…

『虚港』を思い出す4

添付写真、左は『極星』のもの、右は『虚港』のもの。同じ場所です。 『極星』でうっちゃってしまったまま、なおざりにされている「物語」というものへの対決が主題だ。なのでいくつもシンクロさせている。これはその一つ。『虚港』のこの墓場の場面でミニー…

『虚港』を思い出す3

ミッキーとミニーの物語をバックグラウンドに響かせることは最初の最初に決まっていた。そもそも『ロビンソンの庭』の脚本のなかで、あの廃墟に出入りしている少年少女たちがミッキーとミニーの人形を埋葬する「葬式ごっこ」をしているシーンを書いて、プロ…

『虚港』を思い出す2

添付写真は「ちょっと待ってクダサ~イ」のおじさん。この人は役者さんではなく、東村山で学童クラブ・児童館の職員をしている人だ。私も東村山や練馬区で学童クラブの臨時職員や正規職員をしていたのは、さんざん映画のなかでネタにした。しかしキャリアは…

『虚港』を思い出す1

添付写真は後半部「ミニー」の写真を見せて「知ってます?」と問うシーンの前。とくに流れには関係なく、部屋のいつもの場所にいる私の演じる主人公が、テーブルの上でミッキーとミニーの人形をもてあそびながら「♪歩いても、歩いても、見知らぬ街で、これが…

ラ・カメラ3日目

無事3日目の上映も終わり、いつものように飲む。今日は私がみずからオススメ日本酒の「志太泉」を買って持って来た。ここは静岡の酒はレベルが高いなかで、格別にいい酒をつくる蔵元です。個人的な全国のベスト10にも入る酒ですな。 しかし寺嶋真里『幻花…

ラ・カメラ上映2日目

昨日の添付画像とは反対のスクリーン側から撮る。しかしこういう画像を添付すると、いかにも顔見知りだけの内輪の人がほとんどで、常連さんで固まっている店に入ってしまって気まずい思いをするのではと予想する人がいるだろうなぁ。そんなことはありません…

ラ・カメラ上映初日

寺嶋真里『幻花』は傑作だった。これ、主演の衣装倒錯趣味の老人に撮影現場で翻弄されたという記憶があるので作家として積極的に上映してこなかったのだろうけれど、その迫力は、その後の現在にいたるまでの寺嶋真里作品のどれをも上回る迫力だ。そして映画…

新作『予感』の音楽を考える

一度ラ・カメラでの上映に来ていただいた人はわかっているだろうけれど、当日の来場者に配るものがある。たいていは山田と山崎の文章、それにラ・カメラ支配人の大宅さん。さらにオーナーの島本さんの4コマ漫画「YAMAZAKIくんとYAMADAさん」が入る。 山田さ…

新作『予感』の編集終了

まず手を洗う。編集作業する机の上のホコリをモップで拭う。そして始める。 すでに撮っている時にも考えていたし、ラッシュを見て、脳内でノンリニア編集していたので、さほど行き詰まることなく編集が終了した。 最初、あたまからつないでいって、ちょっと…

新作『予感』の編集準備

添付画像が今度のラ・カメラの上映告知ハガキ。 さていよいよ編集に取りかかる。編集はまあ、簡単だ。おそらく1日で完了する。これまで何回か書いてきたように、ラブホ内部と公園との往還をきちんとやり、オプチカル処理的(特殊撮影を施した映像)な画面を…

8ミリシネクラブ例会

2か月に1回のペースで開催されている8ミリシネクラブ例会に参加。 これは京急羽田線で京急蒲田から2駅の「大鳥居」という駅の近くにある公民館の集会室でおこなわれているもので、持ち寄った8ミリ作品をみんなで鑑賞しようという集まり。くわしくはこち…

よい居酒屋とパンク的態度

いい歳の中年男なので、撮影したあとはいい居酒屋で飲んでくつろぎたい。しかし私は最近はひとりで撮影しているので、お疲れさま、ではちょいと一杯、をやる機会がない。 一昨日はいい居酒屋にめぐりあった。南千住駅前の大坪という居酒屋だ。添付写真はそこ…

東向島で山田勇男作品の撮影

昨日は東向島かいわいをうろうろしながら撮影した。 私はてっきり島本慶&岩田次男の中年ムード歌謡デュオ「ペーソス」のプロモフィルムの撮影だと思っていたが、どうやら違って、これはこれで山田勇男さんの新作ってことになるようだ。タイトルはまだ決まっ…

『猫夜』を思い出す6

spaceNEO上映は終わったが、このまま断続的に書いていこう。とは言っても今日で『猫夜』は終了のつもり。 さて、この作品で一番苦労したのは編集だった。ほぼ10時間ぶんぐらいのフィルム素材を前にして、とにかく残せないものを抜いていった。「残せないもの…

『猫夜』を思い出す5

本日、映写機を搬入してきました。 それからパーティー用の日本酒も選んでおきました。『極星』と『虚港』の印象的なシーンを撮影した土地に蔵元がある酒で、もちろん私は飲んでいて、名前は売れてないけれどいい酒を醸していることを記憶していた蔵元。 ま…

『猫夜』を思い出す4

もう明日は映写機の搬入ではないか。 しゃべることとかも考えないと。とか悩みながら、パーティーに出すためにサモサをつくることにする。サモサってのは、インドの揚げ餃子のこと。もちろんカレー味でじゃがいもが入ってたりするのが一般的かな。 さて『猫…

『猫夜』を思い出す3

カメラをリョウとカーコに渡す。 リョウとカーコと書いたが、神岡猟のことはふだんは「神岡」と呼んでいたし、寺本恵子のことは「恵子さん」と呼んでいた。なぜカーコかと言うと、富山からやってきたちょいと飲んだ彼女の高校時代の友人が、恵子さんのことを…

『猫夜』を思い出す2

他人にカメラを託して、監督が現場にいられない世界を撮ってきてもらう。それは劇映画やドキュメンタリー作品のなかでは特に珍しいことではないけれど、個人映画のなかに持ち込んだとき、これは個人を越えた世界を探査することができる方法論かもしれない。…

『猫夜』を思い出す1

まるで映画がひとりでに自己増殖するかのような映画をつくりたかった。 『極星』の被写体である神岡猟(リョウ)と寺本恵子(カーコ)にカメラを渡して、それぞれの日常的な映像を撮って来てもらう。それを交互につないで構成する。それだけ。じつにシンプル…

『極星』を思い出す4

もはや作者である自分も、どの順番で撮影されたものなのか記憶にない。 そう、時系列に忠実な映画ではないのだ。 気持ちの流れや、映画としての流れからいってハマればそれが正しいということでいいでしょ。だいたい思い出なんてビデオテープといっしょで、…

『極星』を思い出す3

添付写真は昨夜電話がかかってきた自主映画の撮影現場。急な出演なので全体のストーリーはよくわからない。私の役は医者で、主人公との会話など2シーンのみ。いずれ、出来上がって上映が決まったときにでもまた書くことにして、さらに『極星』について想い…