山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

見えない、あるいは遮られた中心部を回る


『スターレーンをめぐる円周軌道』は、所沢スターレーンというボーリング場の上に設置されているピンのかたちのオブジェを、かなり離れたところから見える場所を探し、写真に撮ってコマ撮りしてぐるぐる回るという作品だった。
伊藤高志さんの作品(←ホントまだタイトル調べてない)のサンシャインビルのように中心部があまりに明確なものではなく、時には視認できないものに向けて回るというところに面白さを感じてつくったのだった。
そのコンセプトをさらに進めると「ぜんぜん見えない中心のなにかのまわりを回る」という想定にたどりつく。このことはこのプログで以前に書いた。
かたくなに最初から「見えない」ということにこだわるのではなく、小さな円周の動きからはじめて、だんだんに大きくなっていく。その過程で中心部が見えなくなったりしてもいいだろう。あるいは『スターレーン~』の場合はピン看板が見えることが前提だったけれど、遮られていてもいいというコンセプトで通すことも可能ではないだろうか。
こんなことを考えたのもトリエンナーレ効果で、何回か自分の作品を見返しているうちに、しぜんと「その先」を考え始めている。やはりつくっただけでは先に進めない。上映されることが作家を先に突き動かすのだろう。