山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

『虚港』を思い出す5


添付画像はラ・カメラでの初公開時のもの。
チラシに使われた画像はちょうどインド風ミュージカルになる直前の場面。これは千葉県勝浦市で撮った。背後に崩れかけた廃材の壁がうつっているけれど、これ、私たちは「川俣正の家」と読んでいた。横浜トリエンナーレ総合ディレクターの川俣さんの作品によく似ていたからだ。じっさい、この建物の全景の写真を見せたら「これ、川俣さんの作品?」と尋ねた人がいたっけ。
そう、パンフに解説を書いてもらった福間健二さんもそうだったし、先日spaceNEOで見た鈴木志郎康さんもミュージカルシーンの撮影に多大な時間が費やされたと思ったようだが、じつはかなり固めて撮っている。
最初の海辺の崖の上は千葉県大原町の岩船海岸近辺。そこからほど近い千葉県御宿町の通称「月の砂漠」という砂浜にラクダの像が設置してあるので、海辺の一連のショットはそこで済ませた。ほぼ半日の撮影。次の廃墟は、群馬県松井田町にある丸山変電所という廃墟で、ここの撮影のあと、関越自動車道で移動し、岩山に穴がたくさんあいている場所、埼玉県吉見町の「吉見の百穴(ひゃっけつ)」で撮影する。さらにとなり町の川島町にミュージカルシーン最後の北海道のような一本道をみつけてあり、そこに移動して撮影した。これはたっぷり1日かかった。そして残るは自転車人力車(サイクルリクシャー)が出て来る場面。これは早稲田大学にちかい場所にあるバングラディシュ救援センターみたいなところにあるものを借りたので、早稲田あたりで撮影している。朝集合で昼には撮了したので半日。つまり余裕ありの3日で撮っているわけ。こんなことを自慢してもしょうがないか。
スタッフはたったひとり。斎藤禎久くん。私がカメラを回して、斎藤くんはレフ板とラジカセの係。ありもののインド映画の曲をつかっているので、現場で音を出して口パクで合わせてもらっている。自転車人力車の時は村上賢司くんにも手伝いにきてもらったっけ。