山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

能登勝『夢代九』の文字使いは絶妙


実験映画スタイルの作品で、作品のなかに文字を入れると、たいていは失敗する。失敗というほどではなくても、成功しているとは思えない作品ばかりだ。
しかし横浜トリエンナーレに参加いただいた能登勝『夢代九』はこの点をクリアしている。べつにレクチャーするわけではないけれど、それぞれの作品を何回も繰り返しみているうちに「この文字の使い方は絶妙だ」と思った。
画面のなかには文字がぱらぱらと振りまかれるように現れ消える。そのために文意が読み取れない。かろうじて「悲」という文字が複数回あらわれるのが確認できる程度だ。
文字が砕けている。まさに記号としてしか機能しない最低のコマ数だけに押さえられている。これは感心した。見た目以上にていねいなイメージの構築が施されているのだろう。
関連情報になるけれど、能登勝でgoogle検索すると彼のホームページが最初に出て来るが閉鎖されている。私もそれで先日あせったのだけれど、引っ越しでプロバイダも変更するのでたまたま今、そうなっているということらしい。しばらくしたら別アドレスで再開するのだと思います。