山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

よい居酒屋とパンク的態度


いい歳の中年男なので、撮影したあとはいい居酒屋で飲んでくつろぎたい。しかし私は最近はひとりで撮影しているので、お疲れさま、ではちょいと一杯、をやる機会がない。
一昨日はいい居酒屋にめぐりあった。南千住駅前の大坪という居酒屋だ。添付写真はそこでの山田さん上野さん、うれしそうないい顔をしているでしょ。
メインの酒は200円のチューハイ。ほかのメニューもほとんど200円前後に設定されている。知っている人には西荻窪のえびす、門前仲町の魚三、札幌の第三もっきりセンターと言うと「あ、そういうやつね」とわかっていただけるでしょう。新宿ションベン横町なんかの雰囲気も近い。
私より上の世代の人たちはゴールデン街で酒を飲んだり喧嘩したり交遊したりしてたわけですな。山田さんなんかはその世代だけれど、映画専業の人たちとの付き合いがないせいかほとんどゴールデン街にはいったことがないようだ。
20年前ぐらい、柳町光男さん、長崎俊一さん、山本政志さんなどで飲んでいて、最年長が柳町さんだった。「さて、次はゴールデン街にいくか」と言う。「え、ゴールデン街ですか」とちょっと抗議したいニュアンスで私たちが言うと「え? 君たちはゴールデン街行かないの? じゃどこで飲んでいるの?」と不思議そうな柳町さん。「つぼ八とかです」と長崎さん。「そりゃあいかん。映画をつくろうとしてるならゴールデン街で飲まなきゃ」と柳町さんに説教されたっけ。
そこにあった溝ってのは、パンク以前とパンク以後の世界観の溝だったと思う。パンクってのはとりあえず権威的なことを壊す、拒否する、近づかない、染まらないことを第一義としたからだ。
ゴールデン街ってのは文化人のコロニーみたいな感じだったのね。ビートニクス、ラブ&ピース、全共闘造反有理、どれも反抗する文化であったけれど、古い権威を否定するために、自分たちなりの権威をつくってしまった。その悪循環を断つためには、乱暴だけれど、権威的であることじたいを忌避することが最も有効かもしれないと思ったわけですな。
また脱線して長くなるのでこのへんで。