山崎幹夫の各種センサー

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『虚港』を思い出す7


添付写真は『グータリプトラ』のもの。ミッキーとミニーの埋葬シーンだ。埋葬というより、もの言わぬぬいぐるみを拷問しているようにも見える。
もともとは『ロビンソンの庭』のなかで、廃墟に出入りする子どもたちがミッキーとミニーを埋葬する遊びをしているというシーンを書き、それがあっさりと製作サイドから拒絶されたところからスタートしている。
ここでもうひとつ指摘しておきたいことがある。ささいなことだが、このミッキーとミニーは、じつは矛盾している取り合わせなのだ。このことはディズニーショップで購入するときに気づいた。ミッキー、ミニーそれぞれ2種類のタイプが売られていた。デザイン上の「旧型」と「新型」の2種だ。これはおもしろいと思った。ミッキーとミニーは「世界でもっとも有名なカップル」だが、新型のミッキーが旧型のミニーに恋する。それが許さない、ありえない恋だ。そんな物語が脳裏をよぎった。では『虚港』ではそこを越境してやろう、そう考えたのだ。ちなみにミッキーは新型、ミニーは旧型です。新しい物語を無前提に信じるミニーは旧型で、なんでも疑ってかかる優柔不断のミッキーが新型。