山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

ラ・カメラ上映初日


寺嶋真里『幻花』は傑作だった。これ、主演の衣装倒錯趣味の老人に撮影現場で翻弄されたという記憶があるので作家として積極的に上映してこなかったのだろうけれど、その迫力は、その後の現在にいたるまでの寺嶋真里作品のどれをも上回る迫力だ。そして映画的でもある。
そもそも映画は顔さえあれば成立する。撮影部も照明部も美術部も無視してもかまわないほど、顔が重要なのだ。この『幻花』の主演の老人の顔とふるまいこそ映画を成り立たせるのにじゅうぶんなエネルギーに満ちている。ものすごいテンションだ。8ミリの1ロールは3分だから、3分持続するテンションの高さだろう。そして悪魔的だ。この迫力は大野一雄さんにも通じるのだが、この堀宗凡さんには土方巽に通じる悪魔的な押し出しがある。
すばらしすぎる。
まあここで言葉を尽くすよりも見てもらいたい。あと2回ね。
作家も積極的に上映したくないようだから、貴重な機会だと思うぞ。
しかし宝のような映画って、まだまだ自分が気づかない範囲で存在しているのだと痛感した。
添付画像はいつものように上映後に観客で残っている人と飲んでいる場です。