山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

映画表現の辺境へ

映像のエロ表現その3/物量の下支え

エロ表現を考えるにあたって、ひとつ気になったことがあった。「そうだ、俺は松沢呉一さんの著作を読んだことがない」ということ。 それで都内に出たついでに大書店で探してみた。 お、これはいいタイトルじゃないですか『クズが世界を豊かにする』だと。思…

映像のエロ表現その2/コスプレ

コスプレはエロいと思う。 しかし、コスプレのエロさを表現した映像を見たことがない。 コスプレのテレビ番組はある。コスプレの専門誌や写真集もある。それらを見ても少しもエロさは感じない。 どういうこと? やはり記憶をほじくり返してみる。そうそう。…

映像のエロ表現その1/わき毛

作家論はあとにして、まず考えたいのが「映像でのエロ表現」だ。自分はこれまでいろんな映画をつくってきたけれど、まともに「エロ表現」に立ち向かったことはない、それは「エロ表現はジジイに近づいてこないとムリかも」と思っていたからだった。だって、…

自作品ヒロイン列伝その5/伊東香穂里さん

『虚港』に出演していただいた伊東さんは小劇場演劇をずっとやってきた人。とある人の紹介で、この映画への出演候補者として最初に会ったときに着ていたものがインパクトありました。 それが画像のやつです。『虚港』の最後の方の、画家(使用させてもらった…

自作品ヒロイン列伝その4/緒川たまきさん

『プ』を観たことのある人なら、ストーリ上のヒロインはリリコ(木村なつみ)=ウジャキ婆さん(北田フサノ)だと了解できるだろうけれど、表向きにはヒロミ(緒川たまき)がヒロインということで。 ストーリー的には「若くてきれいだけど、まー、それだけ」…

自作品ヒロイン列伝その3/犬飼久美子さん

5人のヒロインのなかで、彼女だけ亡くなっています。あまり症例のない病気で、37歳のときに亡くなってしまいました。合掌。 彼女が札幌に登場したのは、ちょうど札幌で映像通り魔を旗揚げした頃だから、1983年ぐらいのことだと思います。 青山学院大学の出身…

自作品ヒロイン列伝その2/石丸ひろ子さん

彼女は『ゴーストタウンの朝』だけに出演してもらった。 札幌女子短期大学に在学中で、どこかの地元小劇場に所属していた。 当時、札幌に「駅裏8号倉庫」というフリースペースがあって、ライブ、演劇、映画の上映をさかんにやっていたのだった。そこで演劇の…

自作品ヒロイン列伝その1/寺本(川渕)恵子さん

『ポプラ並木の憂鬱』の項で書いたように「自主製作映画をつくろう→映画にはヒロインが必要だ→ウチの大学でいちばん可愛いコは誰?→文学部日本史学科に評判のコがいるぞ」という経緯でした。 添付画像はその『ポプラ並木の憂鬱』より。 画像を撮りながら「な…

自分の映画歴語りその12/『夜の心』

添付画像の『夜の心』が私の最後の8ミリフィルムでの映画作品。 まだ8ミリフィルムは販売も現像もしているので、いくつかの製品が消え、いくつかのサービスが終了し、フィルムも現像も、その他のグッズも値段が上昇したけれど、最後の最後までこだわること…

自分の映画歴語りその11/『がむぜ』『なまら』『だはん』

『猫夜』の撮影と同時並行しておこなっていたのが「勝浦革命大学映像実習」だった。これは、8ミリフィルムを使った映像ワークショップといってもいいだろう。ただし、参加費とかは無料だった。 だから、私から声をかけて、当日集った人間によってつくられた…

自分の映画歴語りその10/『猫夜』

『猫夜(ねこよる)』は『極星』の続編にあたる長編映画だが、物語映画ではないので何かお話が連続しているわけではなく、それぞれ独立して見てもだいじょうぶ。 『猫夜』を見たことのある人なら承知のことだが、『極星』を公開するちょっと前から撮り始めて…

自分の映画歴語りその9/未公開作品『木炭をつくる』

やはり札幌に住んでいた大学生の時代、小川プロ製作の『ニッポン国古屋敷村』の上映スタッフをしたことがある。札幌では道新(北海道新聞社)ホールというそこそこいい場所を2日間ぐらい借りて公開したのだった。 小川プロからは飯塚さんがやってきて指揮を…

自分の映画歴語りその8/『極星』

1984年3月で大学を卒業し、東京に戻った。 就職活動はいっさいしなかった。映画をつくり、上映することに忙殺されていたということもあったけれど、そもそも映画を仕事としてやりたいと思っていても、就職すべき映画会社がなかったということもある。 じつは…

自分の映画歴語りその7/山田勇男さんとの長いつきあい

添付画像は『往復IV』より。 この『往復』シリーズは、山田勇男さんとの8ミリフィルムによるいったり来たりの公開前提の交換映像日記みたいな作品だ。1986年に、美術館学芸員(北海道立近代美術館→目黒区美術館)の正木基さんのプロデュースによって始まっ…

自分の映画歴語りその6/『ゴーストタウンの朝』

『非解釈』をつくったあと、北大映研から飛び出した数人のグループと仲良くなった。「志を同じくするものが引き寄せ合った」という感じ。その「志」とは、大学のなかで「映画ごっこ」にうつつを抜かしているだけでなく、もっと外の世界へと打って出ようじゃ…

自分の映画歴語りその5/『海辺の記憶』

この作品はスルーしようかと思ったけれど、やはりそれでは格好がつかない。 見た人には強烈な印象を残しているだろう。添付画像のように、自分の手の甲をカッターでスッと切って、にじみ出してくる血をじっと撮っている映像と、ヴューワー再撮影での、海辺で…

自分の映画歴語りその4/『非解釈』

それこそ、勃起したチンポをこすりつけて、思わずドッピュンしたような、そんなふうに作者としては感じている作品。だからあんまり積極的に上映しておりません。 neoneo坐のHPでのコメントで、今回(8ミリフィルム映画祭2010年秋)こんなことを書いた。 「犯…

自分の映画歴語りその3/『ポプラ並木の憂鬱』

高校生のときにも文化祭でのクラスの出し物としてホラー映画(当けっこう流行っていたので)つくりにかかわったりしたけれど、大学に入り、はじめて「学校の外で、入場料金をとって上映する映画」をつくることになった。 「有料上映をしたかどうか」を基準に…

自分の映画歴語りその2/映画ごっこのはじまり

何回も語ったり書いたりしたことだけれど、私はまず8ミリによる「映画ごっこ」からスタートした。 自分がかつて親によって撮影されたことのある(つまりホームムービーね)8ミリカメラをタンスの奥から出してきて、友人たちと8ミリ遊びをしたのだった。19…

自分の映画歴語りその1/『プ』から『虚港』へ

11月7日の8ミリフィルム映画祭で『虚港』を上映したさい、上映後に私は「この頃はなぜかとてもサービス精神が盛り上がっていた時期でして」と、製作の動機を語ったのだった。 そう語りながら「それはどうしてだっけ?」と思っていた。 しばらくして思い出し…

内村茂太その3/『僕の新婚旅行』

内村茂太の作品で「この1本は?」と問われたら、やはりその名をとどろかせた『僕の新婚旅行』を選ばざるを得ないだろう。 内村さんと飼い猫のチャコ、決して名を呼ばれない妻が住み慣れた多摩川の近くから、どういう事情か説明されないけれど、名古屋に引っ…

内村茂太その2/内村茂太のオールナイトニッポン

内村茂太は、自分の作品の上映のたびに「内村茂太のオールナイトニッポン」というカセットテープをつくってきて、会場で販売する。60分あるいは120分で500円。最近ではけっこうそれを楽しみにしている人もいるようだ。いるようだと言っても両手を広げた数に…

内村茂太その1/『僕のカッパドキア』

友川かずきというフォーク歌手がいて、80年代後半のある時期、吉祥寺のマンダラで何回かライブを聴いたことがあった。もちろんレコードも持っている。 私の映画の話で言えば、『極星』のなかで、神岡猟が高層団地でギターを持って歩きながら、何か歌い始める…

佐藤真さんとすれ違ったいきさつ

10月6日に「佐藤真さんとすれ違ったいきさつを来週あたり書く」と書きながら放置していました。 佐藤さんとも縁の深いneoneo坐での8ミリフィルム映画祭もせまってきたこともあり、ここで書いておきましょう。 2007年の10月に岡山映画祭のなかでパーソナルフ…