佐藤真さんとすれ違ったいきさつ
10月6日に「佐藤真さんとすれ違ったいきさつを来週あたり書く」と書きながら放置していました。
佐藤さんとも縁の深いneoneo坐での8ミリフィルム映画祭もせまってきたこともあり、ここで書いておきましょう。
2007年の10月に岡山映画祭のなかでパーソナルフォーカスが上映されることになって、なぜか私と宮田靖子さんがゲストで呼ばれたのでした。
夏ぐらいにチラシが送られてきて、それを見るとパーソナルフォーカス上映の前日に佐藤真さんゲストでの上映があるじゃないですか。
「お、これはこれは。1日前に行くことにしよう」と思ったのだった。そうすれば、それまで面識なかったけれど、佐藤さんと飲みながら終電とか気にすることなく話のできる時間がつくれるだろう。
で、話したいことがあった。それはずばり、佐藤さんが批判するような「セルフドキュメンタリー」と、私がこれまで見てきた「私映画」との認識にかなりの差異があることはあきらかだから、語り合ってすり合わせをすることは、佐藤さんにとっても私にとっても有意義なことだろうと思ったのだった。
そのために、添付画像にあるような佐藤さんの著作を読んでみたり、自分のこれまで見てきた私映画への考えをちょっとばかり整理したりしてみた。
ところが、ご存知のようにその年の9月に佐藤さんは自死してしまった。
そういういきさつなのね。
そのままその作業はストップしたまま3年経過した。もちろん佐藤さんと「すり合わせしよう」という思惑だったから、佐藤さんがいなくなってしまった以上、それから先の何の展開もない。
でもね。
それでは惜しいことかもしれないと、ようやく思い始めた。
2007年の春、それまでこだわり、それなりに愛していた8ミリというフォーマットと別れざるを得ないはめになった。そしておなじく2007年の秋、けっこう楽しみにしていた佐藤真さんとの「すり合わせ」が永久にできないはめになった。
3年を経過して、ようやくそれらのもろもろのことを含めて、ささやかながら文章を残しておきたい気になりました。というわけでカテゴリ「映画表現の辺境へ」を新設して、あれやこれやまとめて書いていくことにします。