山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

自分の映画歴語りその11/『がむぜ』『なまら』『だはん』


『猫夜』の撮影と同時並行しておこなっていたのが「勝浦革命大学映像実習」だった。これは、8ミリフィルムを使った映像ワークショップといってもいいだろう。ただし、参加費とかは無料だった。
だから、私から声をかけて、当日集った人間によってつくられた「集合映画」なわけだけれど、あくまで作家であるのはコンセプトを立てた私であって、参加者はスタッフという考えかたなのです。
コンセプトは3つ、みんなで酒を飲みながら考えた。いや、ちがう。そもそもは酒を飲みながら「撮影時間よりも上映時間の方が長い映画は可能だろうか」という「お題」からスタートしている。
そのコンセプトは作戦名「なまら」と名づけた。できるだけたくさんで集って、いっせのせで8ミリカメラを回しはじめ、そのままカットすることなく1ロール、3分20秒を回し切ってしまおう、ということ。それを実践した『なまら』では総勢17人の人間が集ったので、それをぜんぶつなげて上映すると57分の作品になる。しかし撮影時間はたったの3分20秒だ。
このコンセプトを「おなじ場所で」ではなく、回し始めの最初に当日正午のNHKニュース画面を撮ることで、全国どこでも撮影可能にしたコンセプトが『だはん』。
また、そのような「同時多発」コンセプトとは別に、参加者に地図を渡し、その地図に書き込まれた矢印のとおりに歩きながら1ロールを回してくるというものが『がむぜ』。
参加時間が比較的自由で、カメラも使い回しができるという利点があることから『がむぜ』だけは総計4回おこなわれた。
あまり長々しく書いてもしょうがないので、短く言えば、自分の「映画ごっこ」をベースとした映画とのつき合いのなかから生み出されたものだと思う。
このときはまだ80年代の終わりだったから、8ミリだった。つまり、撮ったものはすぐその日には見れないわけ。しかし現在は、ビデオカメラでなくても、デジカメでも携帯電話でも動画が撮れる。
そうなるとぐっと敷居は低くなり、映画をつくるという行為とはちょっとズレたところにある、しかし「映画ごっこ」の精神にのっとった遊びはいろいろ可能になった。俳句や短歌の歌会のように、その日の「お題」にもとづいてさくっと撮ってきた映像を見せあって遊ぶことも可能だし、さらにYouTubeをうまく利用すればそれを全世界規模でやらかすことも可能だと思うのだけれど……。
誰かやってる?

添付画像は『がむぜ2』より。