次作品のコンセプト探索
コンセプトというより単なるきっかけ探しだ。きっかけというか、最初のカットさえ確定すればあとはなんとかなる。コンセプトはあとからついてくる。
ん? そんなふうに小説を書いた人がいたな。そうそう、石川淳だ。それはともかくとして。
今日、発見したのはこの公園。車で通りがかって、その後、とあるうどん屋でうどんを食べていて、ふと鮮やかにさきほど見た公園のこの造形物が頭のなかで根を下ろした。そこで食後にふたたび行ってみて、デジカメを撮りながらあたりを見てまわったのだった。ここがモノになるかどうかはまだわからない。
まず気になったのは、これが「タコ山」ではないということだ。タコ山とは前田造形美術とかいう会社が全国あちこちにつくった、タコの形をした滑り台の遊具だ。『眠る永遠主義』のなかでは3か所のタコ山が撮影されている。それで、その時、ちょっと気になって調べてみたわけだが、世の中には奇特な人がいるもので、全国のタコ山をコレクションしているホームページがある。それをけっこう熱心に閲覧したことがあるので、これはずいぶん変わっていることが気になったのだ。
さて、この公園の奥にはまたひとつ公園があって、そこにもけっこう興味深い造形物があった。それをどう作品に生かすかは私が考えなくてはいけないところ。
もっと大きな円を描いて車で回ってみる。するとこの場所が、意外と『V.M.』のつなぎの部分で撮影した、ラブホテル廃墟に近いことがわかった。ここは心霊スポットとして有名だったようで、私も撮影時に近所の人に叱られたりグチをこぼされたり、あるいはやってきたカップルに恐怖の思いをさせてしまったりした場所。だがそこはもう取り壊されてない。
ま、そんな感じで決定的なものは見つからなかった。どうするか、とりあえず再度ロケハンしてみよう。