山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

『富士山へ飛ぶ夢を見るまで』のラスト

以前にちょっとだけ書いておいた最後の部分のナレーションはこうなった。

夢を見た。
俺は鳩になっている。富士山への1/32地点にあった鳩小屋の鳩だ。
飛びたつ。
マンションが見える。
馬頭観音があり、はるかかなたに冨士。
手前に黄色い少年。振り返ると赤い鳥居、
水仙が咲き、小桜ラーメンは今日も行列ができている。
甲斐の開運の杉玉が揺れ、
はなやのうどんがゆであがる。
ああそうかと俺は思い当たる。
鳥になっているから脳みそは単純だ。だからわかったんだ。
あれら現実世界にある具体的なものたち、それが記憶として脳のなかに沈み込み、雑然と配列される。
それらこそ、距離なんだと。