『うろつきズム論ノート』制作メモその6
山田さんとラ・カメラの大宅さんからの原稿を待ちながら、さらにフッテージをメモと記憶に頼りながら再度見てみながら、今度は使えそうな部分のタイムを書き出していく作業をする。
8ミリビデオって、タイムコードが入ってないんですよね。あれはDVになってからのものであって、タイムの表記は8ミリビデオデッキの表示を頼りにするんだけれど、一度カセットテープを途中で取り出してしまうと、もうわからなくなる。
まー、もうこの段階まで来たら、どうせSD記録なわけだし、ざくっと「使えそう」と思った部分をDVテープにダビングしてしまい、それをPCに取り込んでしまった方がいいのかもしれない。
うん、そうだ。明日、それをやろう。
いや、明日はまず、本日faxで届いた山田さんと大宅さんの原稿の文字打ちをして、さらに自分の原稿も書かなくては。
以前記事にしたことだけれど、ラ・カメラの当日配布物は、手書きの原稿がfaxで私のうちに届き、それをパソコンで文字打ちするのだけれど、縦書きなので、今使っているものの2つ前のiBookG4というノートパソコンで入力、そしてプリントしたものを山田さんに郵便で送るという前世代的な作業をするのです。
なんとなく、編集の「並べ方」みたいなものは見えてきた。
自転車に乗って街をさまよい、撮った映像の連続だけれど、並べ方によっては起承転結をつくることもできる。
つまり、最初に基準となるひとつのかたまりを置いて、そこからひとつの方向性へと向ってエスカレートさせていくように何個かのフッテージを配列。そのあと、それまでとはまったく別の方向性へのエスカレートでまたいくつかを配列。そして最後にシメの部分を置く、という構成。
つまり、ほぼすべて「路地をさまよう映像」なのだけれど、2つの方向性へと展開されるように配列するわけだ。
なので、その2つの方向性の中間にあるようなフッテージは「中途半端」ということになって、この作品では「NG」ということになってしまう。
うーん、もったいない。もったいないけれど仕方ないです。映画はリニアな構成の妙がその命脈だから。
というわけで、何が言いたかったかと言うと、せっかく「深谷市に行ってみた」という記事を書いておきながら、20年前の深谷市うろつき映像は、いっさいこの作品では採用されないということになるのですよ。
もったいない。
けど、仕方ないか。
熊谷、行田、寄居、小川町、鴻巣、大宮、所沢などなど埼玉県各地の路地探索映像も同じ理由でカット。記事の最初で訪問した、飯能市だけを採用することにします。