山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

三日月バビロン「琥珀ノ宴」(2013)


前回公演の感想は、次の公演のちょっと前に書くことにしようと思いつつ、ラ・カメラ上映などに注力していたため「ファンタスマゴリア(2013)」の感想を書きそびれてしまった。
なのでこれからは随時感想を書くということにして、さらに記事がたまってきたので「三日月バビロン」でカテゴリをつくった。ただし、公演の感想を書いているのは最近になってからのことで、前はこのブログが「映像制作ノート」だったために公演の記録映像のことが記事内容になっていることはご承知置きください。

さて、2009年に初演だったこの『琥珀ノ宴』。今回おおきく変わったことは、前回、梅原真美の演じた役を今夢子が演じていること(前回、今夢子が演じた役は深谷雪乃が演じている)。
ストーリーは和製ゴシックロマンスだ。
梅原真美はとても演技の技量が高い役者さんではあるが、その器用さゆえに前回の役は「怖さ」はあまり感じさせなかった。しかし今回の今夢子は最初から「怖さ」を感じさせてくれた。
この役は非常に難しい。「ぞっとする冷たさ」と「しかし激しい情熱」を共存させなくてはならない。劇中にも台詞で出てくるように「笑っていながらちっとも笑っていない」存在だ。
それをみごとに演じ切っていた。
京都弁も(ほんとに京都の人が観たらヘンかもしれないが)よどみなく発語していた。
おみごと!

もうひとつ、記録映像をPC取り込みしながら「おや?」と思ったことがある。
それが添付画像のシーンだ。
台本は最初の2009年の時とそれほど変化はない(はず)。
なのに、この木原春菜が新鮮に感じた。
そこで記録映像担当の特権で、2009年の初演のときの映像を確認してみた。
なるほど、2009年のときはこのシーンは、アンモナイトの方向ではなく、客席の方を向いて演じている。
だが、そればかりではない。
表情、しぐさ、醸し出される存在感。それらから「女優としてのコク」みたいなものがしたたりあふれている、と感じた。三日月バビロンを見続けている者のひいき目も多分に入っているのだろうけれど、そう感じた。凄いな、どんどん成長し続けているんだ、やはり。