映像のエロ表現その7/廃墟
廃墟もまたエロいものだ。
けれども、コスプレと似ていて、たくさん存在する写真集、DVDを見ても、いや、見ていないが、たぶんそこに「廃墟のもつエロさ」はないと思う。写真集、DVDにすることで、やはり「作業」になってしまっているからだろう。
ん?
ということは、関根博之さんの廃墟8ミリ映画が見せてくれている「廃墟のエロさ」ってのは、言い換えてみると、デキのいいハメ撮りみたいなものなのか。うわっ。
添付画像はWiiのゲームで『FRAGILE(フラジール) ~さよなら月の廃墟~』というやつの画面。私はプレイしていないけれど、これは「廃墟探索RPG」だとのこと。評価が低いので、やはり私やみなさまが危惧するようなことになってしまっているのでしょう。
廃墟探索の醍醐味はやはりナマにあるわけだけれども、それをどうにかして映像で表現することはできないだろうか。私もこれまでさんざん廃墟を撮影の舞台に選んできたけれど、ひとつも成功していない。
2つ、方法はあると思う。
ひとつは関根さんのように、廃墟に何日も泊まり込んだり、最初からムービーカメラを回さず、写真を撮りながら廃墟を味わいつくし、その上でキモの部分をうまく凝縮していく方法。正攻法だけれど、関根さん以外で実践しているのを見たことがない。
もうひとつは、たとえばニコ生中継のようにして廃墟に入り込み、インタラクティブなやりとりのもとに探索をしていくこと。
役者さんならば、撮られたり見られたりすることに対して応えてくれるだろうけれど、廃墟は野生動物みたいなものですから、どんなに時間を費やしても、簡単にそのスカートの中身を撮らせてはくれない。