8ミリ映画にとって理想的な上映環境とは
添付画像はフィルムセンターの35&16ミリ兼用映写機の速度調整ボタン。ふと気づいて「へーっ」と思いました。15コマ/秒から25コマ/秒まで1コマ/秒ごとに刻まれていて、さらに30コマ/秒の設定もあります。これだけの速度のモードが想定されているということなのですな。
ところで、フィルムセンターからラ・カメラへと上映の場を切り替えて8ミリ映写をさらに続けていると、どうしても上映環境の差を考えることになってしまいます。
フィルムセンターの小ホールのスクリーンは、8ミリ映画には大き過ぎです。それを補うためにクセノン映写機を使っているのですが、明るさはなんとか確保できるものの、どうも色味がちがうせいか「色の快感」がないのです。
これは、大半の作品をコピーしたフィルムで上映しているということもあります。フィルムからフィルムへのコピーは、まずピントが甘くなってしまいます。そのうえ、色が劣化して濁った感じに変化してしまうのです。
「フィルムの作品はできるだけフィルム上映で」ということをポリシーにしての企画だったのですが、ちょっとイマイチ。
もう何年かすればHDテレシネもやりやすくなるでしょうから、コピーフィルムで上映するよりも、HDメディアから、それなりによい品質のビデオプロジェクターで映写する方がいいのではないでしょうか。
しかし、やっぱり根幹の部分で、映画館のような場所とは8ミリ映画はソリが合わないのかもしれません。
私が考えるところの「現状で最高の8ミリ上映環境」は、じつはラ・カメラではなくて、東京8ミリシネ倶楽部(大田区の芝中公民館にて2ヶ月に一度開催)なのです。
主宰の松田さんの高輝度改造映写機の驚きもさることながら、ここは畳敷きの大広間なんです。テキトーにごろんと横になってだらだらと見ていられる環境。これ、最高。