山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

若尾伊佐子の無音楽のダンス


地下鉄南北線王子神谷駅から徒歩12分という奥まった場所にある「シアター・バビロンの流れのほとりにて」という場所で開催された催しで、2年ぶりに若尾伊佐子の、無音即興ダンスを観る。
暗転からやがてほの暗いほどの明かりになると、白い薄い布をまとった若尾伊佐子が背に手を回して、やや前屈みになっているのが視認できる。そこからすこしずつ動きが始まる。手の動きが優美だ。音楽がないので、リズミカルな動きにはならない。むしろ無拍子の、よどみない動きになる。
なるほど、身体の動きそのものがよく見れるわけだ。
音楽が余計なもの、ではないにしても、はぎ落とすことで「シンプル・イズ・ベスト」になるのだな。
もちろん素養と訓練があるからこそ、見れるダンスになっているわけだ。
はぎ落とすと、何かが立ち上がってくる。シチュエーションがめまぐるしく立ち上がり消えていくような錯覚に陥る。
若尾さんじしん、ナチュラルで気品のある人なので、そうしたシチュエーション妄想は、どういうわけかファンタジックな色合いを帯びていたりする。
まだいろいろと心に響いたことがある。しかしコトバに還元していくことができない。しばらく置いてまた観たいものです。