スクラップ祭りのこと2
たとえば家から駅までのいつも通る道の途中で、建物を取り壊してぽっかりと更地になっていたりする。そこには何か店があったはずだが、何の店だったか思い出せない。そういう経験ってあるでしょう。いかに私たちは日頃、ばくぜんと世界の中を漂っているのだろうと思う。一日のなかで出会ったこと、知ったことのいくつぐらいが記憶に残っていくのだろう。
このスクラップまつりでは、アンテナを全開にし、目を見開き、きょろきょろと次の作品を求めて歩く。そうすると作品でないものまで作品に見えてくるという不思議な感覚におちいる。これが楽しい。世界ってのはこんなにも自分を刺激するものだったのか、と思う。