ニセ広島弁
『バオバブ』での私の役は富山から出てきた父親。当然ながら富山弁。『極星』『猫夜』を見てくださった人だと、それらの作品のなかには富山で実際に撮ったものが含まれていることを知っているだろうけれど、富山弁ということまで意識してはいなかった。なので私としては「北海道弁でなく、東北弁でもなく、コテコテ関西弁でもなく、九州の言葉でもない方言」という意識のしかたをしてしまう。
その結果、なぜかニセ広島弁が出てきてしまう結果になったりする。現場で迷惑をかけて申し訳ありませんです。これは世代的なものだろう。私の年齢の前後で、映画に強く惹かれたものたちは、少なからず『仁義なき戦い』の衝撃を経験しているはずだ。私や佐々木浩久にとってはそれに小津再評価ショックが連なる。
そのため、なぜかリハまではシナリオに書かれているとおりの富山弁で発声していても、いざ本番になって緊張すると、ニセ広島弁がひょいと出てきてしまったりするわけです。
今日は言い訳文章でした。