山崎幹夫の各種センサー

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竹田沙希@トヨタ車体


「まるで抜け殻のように」という形容のしかたがあるけれど、そのものでした。
2月21日のトヨタ車体vsデンソー川崎市とどろきアリーナ。試合直後の竹田沙希選手の姿。
負けてはいけない試合というのがあるけれど、それでも負けることは普通にある。このときはまさにそれ。負けてはならぬ試合に負けてしまった。
それも2セット取っていたのに、そのあと3セット連取されての負け。
竹田選手はこのチームのキャプテンです。それもバレーボールファンに「現在のVリーグ女子チームのなかで、もっともキャプテンらしいキャプテンは誰」と聞けば、ほとんどの人は「それはトヨタ車体の竹田選手でしょう」と答えるであろう存在です。
この試合途中、竹田選手は足を怪我してしまい、ベンチから声の限りに声援を送っていたのだけれど、それもむなしく敗戦。茫然自失を絵にしたような状態になってしまったのでした。
今季のVリーグはまだ終わっていませんが、おそらくもっとも自分の心に残るシーンをみせてくれたのでした。

そもそも竹田選手は声がデカい。デカいというか、ものすごくよく声が通る。
昨年秋にサマーリーグを観戦したときに、自分は最初2階席の後ろに立って観戦していたのですが、タイムアウトのときに下のコートで竹田選手が作戦指示している声がはっきりと聞えてきました。
すごいなあ、この声の通り方。しかし2階席後ろの自分にまで聞えてくるということは、相手チームにも聞えてしまうのでは、と思ってとても愉快な気持ちになったのでした。
これならむちゃくちゃ込んでいる居酒屋でも、一発で注文が通りますな。
バレーボールを引退したら、演劇役者でもやっていけるのではないでしょうか。
本人ももちろん自覚しているのか、選手名鑑にこうアピールしてます。

たいていの選手は「サーブ」とか「ブロック」とかなのに竹田選手は「声」。

今季のVリーグでもうひとつ印象に残っているシーンがあります。
これも竹田選手がらみ。
デンソー戦の一週前の2月15日、久光製薬戦@愛媛武道館。2セット目のわりとしょっぱな。

ネットをはさんで竹田選手と長岡選手が接触してしまいました。竹田選手はコート外に転倒。
そのままプレイを続けて、得点が決まったあと、両選手は自分たちのチームの輪に加わる前にネット越しに握手しています。さくっと握手して言葉もかけあい、さっと自分のチームの輪の方に向いました。
どおってことないと言えばそうなんですが、上の方で書いてきたような竹田選手の個性と、これまた個性の確立している長岡選手の双方が、かちーんといい音を立てて乾杯をしたような感じで、なにげないけれどいいシーンだと思いました。