山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

三浦淳子『空とコムローイ』@ユーロスペース


朝起きたら風が強い。
なので今日の撮影はやめにして、渋谷のユーロスペースにて三浦淳子さんの『空とコムローイ』を観ることにした。モーニングショーなので午前10時半スタートなのです。だから朝9時過ぎに家を出ないといけない。
タイ北部にある、キリスト教支援の子どもの自立施設をたんたんと撮った映像が主体のドキュメンタリー。
三浦淳子さんは乃木坂時代のラ・カメラでも短編を上映させてもらったことがあったし、このあいだのneoneo坐でも『トマトを植えた日』を上映させてもらった。
それやこれやでわかっているのだけれど、とてもストレートに詩情を表現できる資質がある人なのです。彼女はどんなものを撮っても、きっとそこに詩情をつかまえることができるのだと思う。
「コムローイ」とは凧のことだと思っていたら、そうではなくて小さめの熱気球なのですね。それを夜、空にはなつ。このショットが魂が抜けるかと思うほど美しい。
1メートルか2メートルほどの気球は大きめのビニール袋なわけで、そこに熱い空気を入れるための炎もむき出しの炎でしかない。でもそれゆえに、じつにシンプルな炎と、その上のクラゲのようなものが、夜空に浮上していくさまが撮られている。
人間の生そのもののようだ。あいまいな根拠しかなくて、浮かび上がっているけれど、ほどなく落ちる存在。そんなことを明示されたような気分だ。で、その気分はアッパーでもアンダーでもなく、バランスがとれていて、妙に気持ちいい。