山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

女性の名が刻まれたレンガ


置かれているレンガには「根岸ハツ」と女性の名が刻まれている。
右に本が置かれているけれど、これは佐々木幹郎という詩人の詩集だ。
そして左にある手は著者の佐々木幹郎さん本人。
レンガは、中野刑務所に使われていたもの。中野刑務所のために使われたレンガは、小菅刑務所(いまの小菅拘置所)で焼かれたものだと推測できるということなので、おそらくは囚人が恋人を想ってその名を刻んだのかもしれない。
中野刑務所は1983年に解体された。
佐々木幹郎さんは、その建物に魅せられ、解体のありさまを8ミリで記録したのだった。
「その実物を持ってきました」
ごろりと机にレンガが出されたとき、その実物の存在感が部屋を一気に満たしたのだった。
東京でのイベントではなく、茨城県の某所でのイベント。ホームセンターで売られているよりも大きなレンガだから、重さもずっしりとある。それを、鞄に入れて常磐線に乗って佐々木幹郎さんはやってきたのだった。