山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

路地コレ、板橋区と練馬区


雨なので予定を変更して板橋区練馬区にあるベスト87路地を再チェック。
昨日の記事は「攻略」と書いたけれど、攻略(当時はローラー作戦と自称していた)は12年前に済んでいる。今回は、再訪しているだけだ。
くぼ地にはいい路地がある。日当たりが悪く、じめじめしている土地にごちゃごちゃと貧しかったり差別されたりしている人たちが家を建てて住みつき、そこに「ソソる路地」が形成されるのだろう。それともうひとつ、くぼ地であるために、外からの音が遮断されて、妙に静寂だ。そのために、閉塞感が否応なく盛り上がってくる。そこだけが、切り離された、特別なゾーンであるという気分が高まるわけだ。
ところで以前にも取り壊されるという話は聞いていたが、東京3大レトロ給水塔のひとつ、板橋区大谷口の給水塔は、完全に姿がなくなっていた。悲しい。ある人はこれらの給水塔をストゥーパ仏舎利塔)に例え、またある人は巨大リンガ(シヴァ神のチンポのことね)にも例えられた給水塔が…。世田谷区弦巻の給水塔(ここはツイン)のように、保存運動とかはなかったのだろうか。
そうして、路地を形成するゴチャゴチャ違法住宅もまた、取り壊しが進んでいた。いくつかの路地はもう、影も形もない。ああ、やはり生モノなのね。そんななか、やはりあるべきところにマルフク看板はあり、「当然でしょ」といった趣きの孤高ぶったたたずまいがわずかに心を慰めてくれた。