山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

完成まで17年の映像作品


今日は自分の作品リストに入るものではないが、1988年から1993年にわたってビデオで撮影していたものが、なんとかまとまって、どういうかたちになるかは未定だけれど、とにかくつながったというので確認に行く。
東芝EMIからの発売になってもいいだろうし、あれこれの権利関係をクリアできれば自主ルートで販売するのもかっこいいことかもしれない。
隠すべきことでもないと思うので書くが、浅川マキをめぐる映像作品なのです。彼女は現在は東芝EMIを離れているし、そもそも東芝の指示でなく、浅川マキの要請によって私が出向いて撮った映像が中心なんで、どこが主体になって発売するかははっきりできないわけ。
今回見て、おもしろいものになったと素直に思った。もちろん音楽ビデオではない。映画というわけでもない。ドキュメントというと、そうなるのかもしれないけれど、つなげられた映像からは、何かヘンなエネルギーがビシバシ出ているぞ。アングラだとかアヴァンギャルドだとかパンクだとか、それらの呼称をまたいたところに立って平然としている女妖怪の姿があるじゃないの。こういうような世界を知らないで済ませた方がいかに幸せなことか。
完成まで17年ということになるが、コツコツなにかをしていたということでなく、この映像の集成がもつ力が、より多くの人の急所を突く時期を潜伏しながら待っていた期間に過ぎない。
浅川マキはこの完成をもってフェードアウトするとか言っているが、そんなもん、山田勇男の「これが最後の作品」と同じこと。もっと妖怪になって暴れてほしい。
添付画像は文京区音羽だったかな。高速道路下でずいぶん以前から気になっていた木造の小屋。