山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

8ミリフィルム映画祭2012春


ラ・カメラ上映の一週後になりますが、今年もneoneo坐での8ミリフィルム映画祭があります。以下、プログラム紹介。

5月25日(金)
20時~
プログラムタイトル= 大木裕之初公開作品プログラム
大木裕之『彩りの彼方へ』1982年/64分
東大1年生(18歳)時、駒場祭での上映に向けクラスで制作した作品。
立山連峰、霧ケ峰等でのロケ。
当時の現代音楽曲(武満 徹/黛 敏郎/ペンデレツキ/湯浅 譲二等)を多用。
学生時の思い出深い劇映画。
 
大木裕之『みつめつつユみ』2012年/20分/HDV作品
震災後の東北、中国、アリゾナロケの・・・


5月26日(土)
15時~
プログラムタイトル= 路地のむこうにある世界
山崎幹夫『泥のなかで生まれた』1986年/17分
山崎幹夫VMの漂流』1990年/9分
山崎幹夫『夢のライオン』1996年/14分
山崎幹夫『あいたい(2002年版)』2002年/11分
山崎幹夫『夜のてのひらの森』2011年/26分(HDV作品)

解説文=けれども、路地の向こうには未知の世界が自分を待っているような気がしてならない。酒をひとり飲んでいる夜の、ある瞬間に外に出ると、やはりそこには未知の世界が広がっているような気がしてならない。その世界は、おだやかだけれど理由のない悲しみに覆われている。『泥のなかで生まれた』の路地は東村山市にある路地。路地の奥深くで、自分は死んだ父を思い出す。『VMの漂流』は昼間の新宿ゴールデン街。男が追い求めている女は、イアリングを水中へと投げ入れる。『夢のライオン』の路地は東村山と東久留米の路地。そこでは30年前の幼い自分に出会う。『あいたい』は路地でなく屋上。新宿西口のビル屋上から、どこにあるのかわからない屋上にずっといるはずの男女と猫に思いを馳せる。『夜のてのひらの森』は8ミリでなくHDV作品なので反則だけれど、このプログラムの文脈のなかで見てもらいたく、ここにまぜて上映させてもらいます。(山崎幹夫

17時~
プログラムタイトル=極北1号
緑川珠見『蟹牡丹』1995年/38分
石井秀人『風わたり』1991年/30分

解説文=neoneo坐における8ミリフィルム映画祭は今回で12回目になる。このプログラムの2作品は、そのなかでも繰り返し上映してきた作品だ。ともに3回目の上映になる。プログラマーとしては、繰り返し上映するに足る作品だと思っているわけでして、観るものの胸ぐらを掴んでぐいぐい息苦しい心境に落とし込む極北的作品ではあるけれど、一度は観ておいてもらいたいのです。

19時~
プログラムタイトル=POZIFILMS PRESENTS
第一部/プロモーションフイルム特集「八ミリフイルムで制作された音楽PV」
田尾紗智子『sweet document』(音楽=COZ)2012年/4分
田中裕貴子『ありふれた話』(音楽=行方知レズ)2007年/5分
高遠瑛『またね』(音楽=庄司真太)2012年/3分
友利栄太郎『DIAMOND DEAD』(音楽=パルティータ)2012年/8分
第二部/高遠瑛特集上映『星ノ宴』
高遠瑛『アルビレオ流星群』2009-2012年/25分
高遠瑛『星の葬ーホシノマツリー』2004年/25分

解説文=下北沢で開講されていた8ミリワークショップの成果からセレクションされた第一部と、断片的に公開されていた高遠瑛の新作『アルビレオ流星群』の現在形を観てもらおうというプログラム。


5月27日(日)
13時~
プログラムタイトル=小型映画作家の発掘
吉田順彦『白い貝殻』1964年/20分
吉田順彦『黒いルージュ』1968年/28分
吉田順彦『禁じられた青春』製作年代不明/18分

解説文=吉田順彦(のぶひこ)は1918年生まれ1988年没。静岡県の作家で20年あまりの間に50本以上の8ミリ映画を製作した。作風は劇映画あり、詩的イメージ映像あり、記録映画あり、ヌード映画ありと多彩。『黒いルージュ』は1968年カンヌ映画祭のアマチュア部門で入賞している。『禁じられた青春』はヌード映画。上映はすべてテレシネDVD。

15時~
プログラムタイトル=大西健児新作初公開
大西健児『ライツ・スペンズ・ライフ-Light Spends Life-』2012年/80分

解説文=いまもっとも8ミリフィルムを回し(浪費し)ている映像作家、大西健児の2011年の短編日記映画の総集編。3.11に始まり、しまだゆきやすの死があり、終焉迫る8ミリフィルムメディアをひしひしと感じながら、取り憑かれたようにカメラを回し続けた日々の光と影の集積がここに一巻きになっている。

17時~
プログラムタイトル=極北2号
山田勇男『アフンルパル』2007年/16分
大谷高美『夜の太陽』2009年/12分
大川戸洋介『風のページェントpart1』1993年/13分
内村茂太『僕の新婚旅行』2002年/40分

解説文=8ミリフィルム映画祭の常設展とでも言うべき作家たちのプログラム。傑作『僕の新婚旅行』は3回目の上映となる。山田勇男作品のタイトルはアイヌ語で意味的には天国ということになるのだけれど、アイヌ民族の考える天国は地底にある。大谷作品は白黒フィルムをネガ現像した作品。大川戸作品は何回か上映している『風のページェントpart4』のパート1。