8ミリフィルム映画祭2011春
開催が来週に迫っておりました。すでにプログラムも決定し、チラシも刷り上がっております。ブログでの告知を怠っておりましたスミマセン。
2日間で6プログラム。
まずは上映作品(と解説文)をずらりと。
5月14日(土)
15時~
川口肇セレクションプログラム
プログラムタイトル=末岡一郎作品集【the fact of filmic, the fact of cinematic.】
プログラム解説文=8ミリに転写された既製の映画。逆に8ミリが被写体として、パーフォレーションごと16ミリというプレパラートの中に封じ込められた映画。それは 冷徹な光学/機械/化学プロセスであると同時に、緻密な作業を淡々と続ける偏愛に満ちた作者の視線でもある。このプログラムではファウンドフッ テージという方法論で制作を続けている作家、末岡一郎の作品を紹介する。フィルム自身を被写体として捉えること、それも8ミリ/映画へのひとつの アプローチであろう。(川口肇)
1. THE RAINBOW OF ODDS (S-8, 8min, 1998 )
2. RED BLACK & WHITE (S-8, 3min, 1994)
3. SUBSTITUTION/NEW YEAR (S-8, 3min, 1998 )
4. PEU DE SON (S-8, 3min, 1998 )
5. THE FANTASY OF SPLENDOUR (S-8, 3min, 1998 )
6. Baby, crazy about you (S-8, 3min, 1999 )
7. Okey, Boys (S-8, 3min, 2001 )
8. LE PREMIER AMOUR DE BAMBI (S-8, 5min, 2001)
9. AZIZ SHAKAR LOOKING FOR JOB 2007 (16mm 5min, 2007 )
10. The Wonderful Stories of Professor KITZEL (16mm, 3mins, 2006 )
11. SINKING AWAY (16mm 3mins, 2005 )
12. Endlich ist es Frühling (16mm, 2mins, silent, 2003 )
13. Ich bin der Welt abhanden gekommen(16mm, 7min, 2003 )
14. Ein Sommer in Deutschland (16mm 6mins, 2005 )
17時~
プログラムタイトル=映画の辺境に咲く花
石井秀人『ひとつの星』2000年/21分
山田勇男『青き零年』1985年/37分
山崎幹夫『遠くへ』2003年/16分
解説文=映画世界は広大です。みなさん先刻承知のように、きらびやかな大都会もあれば、放射能漏れした汚れた地下水のようなダークゾーンもあります。が、ここではひとり旅の果てにやっとたどりついた辺境で出会う光景のような作品を並べてみました。あざとい装飾などひとつもない、とびきりのスイーツ。(山崎幹夫)
19時~
プログラムタイトル=映像の秘密結社・銀鉛画報会
大西健児・馬渕徹『銀鉛画報会』2011年/80分(予定)
制作/銀鉛画報会〔馬渕徹 大谷高美 出射広海 栗原みえ 橘薫 池田泰典 内村茂太 大西健児〕
撮影・構成・現像/大西健児 馬渕徹
ナレーション/馬渕徹
出演/銀鉛画報会 藤原章 中川究矢 山崎幹夫 久保田和泉 片岡けんいち にわとりのたまごろう 不定形 FILMワークショップ参加メンバーの皆さん 他
協力/阿佐ヶ谷スペース煌翔
解説:銀鉛マエストロ・馬渕徹がナビゲートする、8ミリについての8ミリ記録映画。
8ミリフィルムというよりも、フィルム文化そのものに、巻きが入っておるようです。
そんな御時世、せっかくなので、個人映画よりも科学映画寄りな嗜好を持ったメタシネマ・ドキュメントは如何でしょうか
映像の秘密結社・銀鉛画報会の発足です。
劇映画~個人・実験映画まで、様々な装いをみせる短編8ミリのアンサンブル競作選
ネガ・フィルムをカンバスにするのは大谷高美、おなじみ内村茂太は相変わらずの日記映画スタイル。
闇の影をおう男・橘薫の最新問題作「影語-ShadowLanguage-」も参戦です。
理不尽な拳が飛びかう劇映画サイドからは、藤原‘ドラゴン’章主演の「領海侵犯異邦人」、混沌のバカ映画「Missジュピターとクリトリス男」等々。
タイムリーな震災作品では「アトミック・ボカン!」そうだ、福島へ被爆しにゆこう!
勿論、バルブ撮影を駆使した馬渕徹の静粛なる夜景選もあります。
各ジャンルにおいて著しく偏りがある個性を拾ってきました。
今宵は一癖あるシルバーペンシル達と共に、小っさな暗闇のなかで光の落書きをご堪能ください(大西健児)
5月15日(日)
13時30分~
プログラムタイトル= それいゆそれいぬ/永遠の、夢見る乙女プログラム
寺嶋真里『GARDEN』1987年/5分
寺嶋真里 『無題』1985年/3分
寺嶋真里『heso』1987年/5分
胡子『少女器』2005年/7分
胡子『死と処女(をとめ)』2006年/7分
守田法子『わたくしの細胞に燐火を燃やし』1986年/6分30秒
ヤジマチサト士『葬られつづける彼女たちのテーマ』2011年/8分
解説文=生きることがもどかしく、それいゆそれいぬ。夢見る乙女。かつて乙女だったその頃の、もしくはその一瞬を懐かしみ。そんな女性作家作品特集を集めたプログラム。(寺嶋真里)
15時~
プログラムタイトル=映画の辺境に実る果実
山崎幹夫『セル、眠っちゃだめだ』2002年/8分
山崎幹夫『予感』2005年/13分
大川戸洋介『夏の灰』1987年/5分
大川戸洋介『賛歌』1988年/14分
緑川珠見『破壊する光は訪れる』1996年/30分
解説文=この地球上にはびこっている生き物で、やはり人間ほど奇妙な生き物はいないような気がする。その人間がつくりだしたにもかかわらず、映画にはさほど奇妙な作品はない。映画は根本的に奇妙な人間たちが必死に正気を保つための装置なのかもしれない。このプログラムはそんな奇妙さヘンテコさを素直に表現した作品たちです。なお『賛歌』は日本語ラップ最重要人物であるECDが主演している。(山崎幹夫)
17時~
プログラムタイトル=映画の辺境で採取された光
内村茂太『日本のエーゲ海 牛窓』2011年/35分(予定)
能登勝『スケッチ』1998年~2001年/15分(予定)
能登勝『仲屋荘の夢』2006年~2008年/7分(予定)
能登勝『ニュースが戦争を伝える』2008年/7分(予定)
解説文=内村茂太は『僕のカッパドキア』以来の待望の新作、初公開。自家現像、自家オプチカルプリントによるイメージの錬金を続けている能登勝は、今回上映の3作をさらにブラッシュアップして持ってきてくれるとのこと。日記映像とトボけた語りが特徴の内村作品と、実験映像の極北領域を歩む能登作品をカップリングしたワケは上映後トークにてあきらかに。(山崎幹夫)