山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

黒糖焼酎/煌(きらめき)の島奄美


残り12の蔵元からそれぞれ1本ずつ900ml瓶を購入した。それを取っ替え引っ替え飲んでいる。とりあえず、淡麗6、芳醇6に分類したところ。
この「煌の島奄美」は淡麗の方に入る。
淡麗というのは黒糖の風味が控えめということでもあるのだけれど、そのなかでももっとも控え目なのがこいつ。控え目過ぎてもの足りない。もの足りないというより、これでは甲類焼酎ではないかと思えたりする。
いやこれはちょいと先入観が入っているのかもしれない。こちらの蔵元「奄美酒類」は、単一の醸造所ではなくて、5つの醸造所が合体してできている会社で、日本酒でもよくあることだけれど、それら5つの醸造所の酒をブレンドして出荷しているとのこと。以下、引用。

蔵元の奄美酒類株式会社は奄美大島の南に浮かぶ徳之島にあり、昭和40年に6社の共同瓶詰め会社としてスタートいたしました。
現在は蔵元5社となっております。協業参加蔵は、天城町の中村酒造、徳之島町の亀澤酒造場・高岡醸造・天川酒造、そして伊仙町の松永酒造場です。
以前は各蔵ごとの銘柄で出荷しておりましたが、共同瓶詰め会社が出来てからは各蔵はそれぞれの技で原酒を造り、5社分合わせてブレンド・割り水・瓶詰めした後、「奄美」の単一ブランドとして販売しております。

日本酒でもそうだけれど、ブレンドしてしまうと個性が消えるのね。個性がなくなってうまくなるかというとそうではない。酒の場合は打ち消し合ってしまうのです。疑問に思う人は、試してみてください。それぞれ傾向の異なる銘酒を混ぜて飲んでみると、きっと愕然とするでしょう。
あるいは、ちょっと文学的な表現をしてもいいかもしれない。以下、非科学的なことを書きます。
酒は、つくり手の気持ちが入っている。数値には表せないけれど、酒は微生物による発酵というプロセスを経てできるものだから、つくり手である人間(蔵人)と微生物(酒酵母)とのあいだに、なんらかの気持ちの交流とかシンクロニシティがないといけない。
だから、あらかじめブレンドされて出荷されるということがわかっているような酒は、つくり手のテンションが下がる。すると酒酵母にもそのことが伝わってしまって、うまみの醸し出しがなおざりになる。そんな酒を集めてまぜても、平均以下のものにしかならない。