山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

はじめての自家現像


はじめて自家現像をやってみた。
記憶が新しいうちに手順や感想などを書いておこう。
●必要なものをそろえる
昨日、E6現像キットと現像ボトル、ダークバックを買った。このほかにもこまごまと必要なものがある。どれも家にあるか、なければ100円ショップで買えるものだ。列記しよう。
現像液を入れるペットボトル3本(なかったのでスーパーの回収箱からいただいてくる)
漏斗(なかったので100円ショップで購入)
温度計(温水の温度を計るもの。赤ちゃん入浴用のものがあった。添付写真の左に浮いているラブリーなものがそれ。こんなところで役にたつとは思わなかったな。浮くし見やすいですよ、これ)
はさみ
ゴム手袋(現像液は劇薬なので必要らしい)
計量カップ
ストップウオッチ(台所にあるようなタイマーでじゅうぶん。濡れてもいいものだとナイス)
ヘアドライヤー(最後にフィルムを乾燥させるのに使う)
●現像作業にとりかかる前にやること
現像液をつくります。
テテナールの箱を開けると6本の小さい薬品ボトルが入っている。どれも同じように見えてたじろぐけれど「TETENAL」と書かれた下の3行目で識別できる。
まず「First Developer」と書かれたやつをペットボトル(1)に入れ、800ccの水で薄める。これが「第一現像液」。
つぎに「Colour Developer」と書かれたものが2本あるが、大きい方をペットボトル(2)に入れ、次に小さい方を入れ、680ccの水で薄める。これが「発色現像液」。
つぎに「Bleach Fix」。これも2本あるが、黒い方が先で透明な方をあとにしてペットボトル(3)に入れ、水600cc
で薄める。これが「漂白定着液』。
もう一本ある小さいやつは「安定液」。これはおけか何かに入れ、水900ccで薄めておく。
●さあ、はじめるよ
添付写真のように、洗面所にお湯を張って、そこにペットボトルをつけている。張ったお湯は41度ぐらいの設定で出した。フィルムをかき出す作業をしているうちに温度が下がって、適温の38度ぐらいになるだろうとの予想。下がり過ぎたらまたお湯を出せばいいわけだし。
現像液3本があたたまる間に、フィルムを現像ボトルに入れる作業をおこなう。
現像するフィルムカートリッジのフィルムが露出している部分をはさみで切る。
ダークバックのなかに現像ボトルとフィルムカートリッジ、そしてはさみを入れてチャックを閉める。
そうしてダークバックの袖口から手を突っ込んで、フィルムをカートリッジからどんどんひっぱり出していく。そのままボトルに入れてもいいだろうし、いったんダークバックのなかに出してから、あらためてボトルに入れてもいいだろう。
フィルムの最後の部分をはさみで切る。
現像ボトルのふたを閉める。
ダークバックを開いて現像ボトルを取り出す。
現像ボトルの液挿入のふたを開いて、第一現像液を入れる。
入れ始めたところから時間の計測はスタートする。
開いたペットボトル(1)に漏斗をさしておく。
現像ボトルを横にして、ゴム手袋をはめた手でゆっくりとボトルを揺する。中のフィルムが現像液のなかを泳ぐようなイメージで。
第一現像の時間は6分15秒。これは液がすべて排出し終わるまでの時間なので、6分になったら現像ボトルの上部のふたを開いて、ペットボトルに第一現像液をもどしてやる。
現像ボトルを洗面所に張った湯に突っ込んで水を入れる。
そうしてまた上部ふたをしめて揺らす。
この「水洗」作業は、マニュアルには2分30秒やるように書いてある(私は手抜きして1分ぐらいしかしなかった)。
この水を風呂場か何かに捨てて、次は「発色現像液」を入れる。
これは6分。やはりゆっくりと揺らしてフィルムに液がいきわたるようにする。
6分たったらペットボトル(2)にもどし、また水を入れて「水洗」。
水を捨てて、最後の「漂白定着液」を入れる。これも同じく6分、ゆらゆらさせる。
ペットボトル(3)にもどし、水を入れて水洗。
この段階でもう光にあてても大丈夫になっている。現像ボトルの大きいふたをあけてさばっと洗面所にフィルムをぶちまけたところが添付写真。
麺類を湯がくような感じでフィルムを水洗する。
映像がうつっているのが確認できるけれど、まだ水を吸っているので黒い部分や透明な部分が、濁ったかんじになっている。乾燥させないとほんらいの映像にはならないので、この段階で早合点して「失敗だ」と思わないように。
よく水洗したら、最初におけか何かに入れた「安定液」に1分ほど沈めて、せんたくひもかなにかに吊るして、ヘアドライヤーを使って乾燥させる。
乾燥したらリールに巻き取って、これで完成。
この作業を次々をやっていけばいいわけです。
●テテナール1Lで8ミリ何ロール現像できる?
「36枚撮りが12本現像できます」と書いてある。そこで表面積を計算して、8ミリ何ロールにあてはまるか換算してみた。
結果は、5.2ロール。
5本だとすると、1本あたり1284円。
なんと、現在のビックカメラでの現像料金1261にニアピンだ。
根拠はないけれど、けっこう6本ぐらい大丈夫じゃないかと思う。あるいはそれ以上でも。
6本になれば1070円。7本できれば917円。
どちらにしても、これはスーパー8のエクタ64Tでも使える現像液なわけだから、現在の2650円という現像料金から比較すると、とっても安価になる。
海外現像での紛失リスクを回避するかわりに、自家現像での失敗リスクが発生するわけだけれど、自分の失敗の方があきらめがつくかもしれない。
●自家現像のリスク
じつは1本、現像失敗した。たまたま自分のカメラテストのフィルムだったのでよかった。
原因は単純なミスで、間違えて最初に「発色現像液」を入れてしまったのでした。アホミス。
せっかくそのミスを回避しようと、スーパーからペットボトルをひろってくる時も、3本ともことなる形状のものにして、さらにマジックで「1」「2」「3」と書いてあるにもかかわらず、やってしまいました。
そのミスで懸念したのは「これ、現像液じたいダメにしちゃったかな」ということ。ミスしたフィルムは、真っ黒でもうどうしようもなかったけれど、おそるおそるやってみた次のロールは何も問題なく現像できたのでひと安心。
現像上がりの品質は、1ロールあたり、2カ所、それぞれ0.5秒ほどの「密着してしまって何もうつってない」部分ができたこと。なんだかんだで、あとのほうに行くにしたがって、ホコリ、ゴミが目立つ。それから不意に1コマだけキズのようなものがあらわれることもあり。
ま、私は自家現像は初めてだけれど、自家現像したシングル8フィルムは多数見ているので、ま、こんなものかと。
テテナールでの現像は緑色がちょっと強く出る傾向があることは『8マニュ』にも末岡氏が書いているけれど、これが今回も確認された。緑色が強くなると、ちょっとスーパー8風味になるんですよね。これがうれしいかうれしくないかは個人の嗜好だろうけれど、私は好みです。それ以上に、ちょっと濁った感じになるところも好みです。
今日はすごく長くなったけれど、一気に書いときました。書きもらしはまたあとでフォローってことで。