山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

「牢獄」への待合室だった部屋


雨だがロケハン。かなりソソる情報を得て、出かけてみた。しかし撮影には不向き。帰ってきて情報を再確認すると、場所が2つあったことが判明。もう1つも近いうちに攻略しよう。
場所をはっきり書かないのは、ケチっているわけでなく。被差別地区だということが、ちょっと見て回ってわかったから。基本的にはなんでも書いてしまう方針だけれど、ここらへんはやっぱタブーでしょうかね。タブーにへりくだっているわけでなく、書いてしまうことで起こる二次災害を防止するためです、ご了解のほどを願います。
これもまた牢獄なのかもしれない、とあたりまえのことを思う。その思いを転がしていくと、たとえば部落差別、たとえば外国人差別、たとえばオウムのサティアンのような「共同体の呪縛」などなど、牢獄はなくなるどころか、増加の一途をたどっているようにも思われる。
それでまた唐突に思い出す。「あの部屋って、その後の大規模な牢獄に全部つながっていたのでは」と。
写真がその部屋だ。私の作品『ターミナルビーチX』で、国家論研究会の部室として登場した、北海道大学のとあるサークル室。ここは正式には「北大ロシア語研究会」に割り当てられた部屋。しかしそのサークルはとっくの昔に解散していて、サークル室の権利を保持するために、まったくロシア語ができない人間が「幽霊部長」になって引き継いでいた場所だ。ちなみに私が最後の部長でした。
部屋をひとつ確保していたので、曜日によっては部屋をもたないサークルに使わせていたことがあった。公民館の会議室ではないから、それらの各種サークルの備品も置いていいことにしていた。画像の真ん中上部とそのうしろに「ゼッケン」がある。これには「石川被告は無罪だ」とか書いてある。要するに部落解放関係ですな。
主役を演じた川口くんのすぐ後ろ、黄色いポスターが斜めになって見えないようにしているが、これは民主カンボジア支援のポスター。わかりやすく言うとポルポト派を支援するものなのね。
画面には映っていないけれど、カメラの背後には赤い背表紙の「キムイルソン著作集」なんてのが並んでいた。
また、当然ながら昨日書いたように杉浦くんも出入りしたことがあるわけなので、年代はズレるけれどオウム真理教へとつながると強引に言えてしまう。
こんだけいろいろこじつけると、あれが欲しくなってくる。そう、アルカイーダね。さすがにイスラム関係はないなぁ、とか思っていたら、そうだ、他ならぬ私が『赤軍-PFLP世界革命戦争宣言』の発掘上映の映写技師をしてるじゃないか。いちおう強引だけれど関連ありということで。
しかしなんでこれら列記したものたちは「悪」と決めつけられているのだろう。いやいや、それらはすべて「錯乱の表現者」を呼び込んでしまったのだろう。悪と決めつけられることじたいは、どうでもいいことだ。
いま思い出した。あの部屋にはもうひとつ重要アイテムがあった。それは、結城庄司さんのつくったニナウがあったのだった。長くなるのでこの話はまた明日。