不審者(として通報されることへの)対策
添付写真を見てください(クリックすると拡大するよ)。ブロック塀の向こうから、映像作家の小口容子に似た主婦が、いかにも不審者発見という感じの表情でこちらの様子をうかがっている。
110番通報されるとやっかいだ。むろん、悪事を働こうとしているわけではないから逃げたり隠れたりする必要はないのだけれど、通報によってやってきた警察官との対応がやっかいだ。持ち物は全部調べられるし、過去の違反歴とかも照会されてネチネチ尋問されるし。
と、上のようなことを書きながら、私はそんなメにあったことがない。
コツは、ただひとつ。「さっさと立ち去ること」これ以外にない。あ、実際の犯罪と一緒か。
商業映画のロケハンだと、制作部がやたら愛想をふりまいて「こんにちわ~」なんて住民に挨拶するけれど、客観的に見て「そのキモいおめぇのニタニタ笑いの方がよほど不審だよ」と思ったりすることもある。
1985年頃、私はシナリオライター/劇作家/小説家の内田栄一さんに指導され、そこらの郊外型ディスカウント店で「ワイドバンドレシーバー」を買った。5千円ぐらいのやつ。これで当時は警察無線が聞けたのだ。内田さんからは「警察無線を聞いていると想像力が刺激される」と言われたような気がする。それはともかく。
それを聞いていると「不審者がいるので来てほしい」という通報が一番多いのですな。しかしじっさいのところ「変な音がした」「誰かが敷地内に入ってきたようだ」とかいう内容ばかり。それらにいちいち対応して出動しないといけないから、警察官という商売もたいへんだと思ったっけ。
だから、ついソソられて何かの敷地内に入ってしまったとしても、通報され、警察が到着するまでの間に立ち去ればいいわけだ。寺山さんはじっととどまってしまったから捕まってしまったのだろう。しかし寺山さんをじっととどまらせたものって何だったのだろうね。