山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

所沢をうろつく


何のコンセプトも浮かんでこない。こういう時はあせったりせず、こもったりせず、うろつくのが一番。
久しぶりに所沢の路地をうろつく。
路地がない。いやほんとうに久しぶりだ。路地のあったところが消滅して、地上30階建てのマンションになっている。マンションの1階と2階に店舗がいろいろ入居しているが、しーんとして活気がない。目当てのインド料理店は閉まっている。扉の貼り紙を見ると、1週間ほどインドに修行に行ってくると書いてある。ラーメンの修行と違ってカレーの修行はたいへんだなぁ、とのんきなことを思う。
キリスト看板、ツタに覆われた家、傾いた塀などを鑑賞して堪能するのだけれど、映像その他のコンセプトには結びついていかない。いま、確認したらやはり一枚もデジカメのシャッターを押してなかった。
しかしこの高層マンションって不気味なけはいがする。そう感じるのは、真梨幸子『孤虫症』を読んだからだろうか。添付写真は彼女の最新刊である『えんじ色心中』(講談社)。これは未読だけど、年末に聞いたところによると、今度「群像」に私小説を書くとか。うー、期待します。彼女が映像作家であったときにつくった作品はとても私のツボにはまり、複数回、ラ・カメラで上映させてもらったことがある。彼女の映画作品に触発され、私の『虚港』ができたのだった。そういう経緯もあるので、小説家として成功しつつあることを喜んでおります。