山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

イメフォフェスにいった


新宿のパークタワーホールで恒例のイメージフォーラムフェス上映してます。今日、Aプロを見にいって、そのあと作家などと「さくら水産」で飲みました。
まず、私は小池照男さんという映像作家のファンです。その小池さんの『生態系』シリーズの第14作目がこのAプログラムに入っていたので、問答無用でこのプログラムを見に来たわけです。添付画像は、さくら水産で突如として横笛を吹き始めた小池さん。小池さんは神戸に住んでいます。このフェスのために交通費を自腹で東京に来たわけです。筋金入りの映像作家です。頭のてっぺんがツルリンとしていて、いつも笑顔なので「実験映像界のジャムおじさん」と比喩する人もいるのですが、作風は凄いっスよ。チカチカ映画の王道をいっていて、しかも幻覚性バツグンです。ドラッグパーティーだったら大評判ですな。そう。だからアングラ映画ほんらいの「ブッ飛びフィルム」の文脈を進化させたところに作品づくりの基盤があるんだけれど、ドラッグ文化はどうしたことか衰退してしまい、今はこのドラッグカルチャーとはあまり関係のない、東京ガスとかの企業の援助によって成り立っている場で公開されているわけですな。
そのうっぷんもあるのでしょうか。突如、さくら水産で横笛を吹き始めた小池さんです。私は好きです。写真の左は『ワイルドホーシズ』という作品でシネヴィスシネマで入賞したヤジマチサト士さん。右は片山薫さん。
ほかのAプロ作品の感想も書いておきましょうか。大賞の『ははのははもまたそのははもその娘も』は、ギミック多数がイメフォらしくもあり、また記憶に残ることを阻害していたような作品。それまでの同様の作品をブチのめす力はない。ここらへんに、いつものことだが、継続的に個人レベルでつくられる物語でない映画を見ていない審査員の非力さが露呈する。いつものことというのは、ホントに毎年のようにこれが繰り返されるからだ。まあ、いろいろ言いたいことはあるが、当たり障りがあるので言わない。
小池さんの作品はいつものように、ブッ飛んだ。最初にフジツボの写真が提示されるので、それの加工だとわかっていながら、いざチカチカジェットコースターが始まってしまうと「今度ことは幻覚に惑わされないぞ」と決意していても、さっそくフジツボはえさをねだる小鳥が大口を開けている図になり、それがぐるぐるまわりながら100も200もと増殖する。やめてくれー。という叫びもむなしく小鳥の大口は壺に変化する。私は未知の惑星に降下しつつある宇宙飛行士。惑星の表面には、びっしりと壺が置かれているではないか。その黒い口の羅列が、どういうわけか蓮のグロ画像に近いものに思えてきたりして……。そんな私の幻覚体験を、忘れないうちに小池さんに話そうと、会場にいる小池さんに近づくと、もうそばには関口和博さんがして、私とは違うものを見たという体験を小池さんに語っているではないか。
嫉妬した。
ま、そういうわけでいろいろな映像作家とさくさ水産で飲む。終電近くなったので帰る。妻とせがれは熟睡。