山崎幹夫の各種センサー

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「BEYOND:Two Souls」(PS3)


超常能力を持った少女が実験室に閉じ込められて育てられ、やがてCIAに利用されようとするが、反抗して逃亡する。
事前に体験版をプレイして、上記の設定にぐっときて発売日(10月17日)購入。
プレイ時間は10時間から15時間ほどなのでほどなくクリア。
二日三日思い出して頭のなかで転がしてみたけれど、やはり、残念ながら失敗作であったと言わざるを得ない。
プレイキャラの死亡ということがない。だからよくあるように「セーブポイントまで戻って再度チャレンジ」ということがほとんどない。ゲームというより映画に近い。だから「プレイした」というよりは「観た」という感じ。
海外ゲームにしては珍しいことに、かなり中二病的なストーリー展開だった。ネタバレしなくないので具体的には書かないが、中二病的な展開をすることに慣れていないのだろう。『ニーア・レプリカント』あたりに学んだ方がいい。
ストーリー展開はかなり突飛なので、最後まで楽しめる。そしてぐっときてウルウルしてしまうような場面もある。
ところが、それらの展開の隙間が、最後までつながらないままだった。惜しい。
それと、最後の最後に「次回作予告?」のようなエピソードが添付されているのもマイナスだ。見苦しい。

ただ「なるほど、ゲームと映画の融合はここまで来たんだな」という境地を見せてくれたことは素直に感心した。
ゲームが高精細になり、まるで実写かと見まがうような場面も多かった。
そうなると、これまでも「モーションキャプチャー」と言ってホントの人間に動いてもらって、それをデータとして取り込んでCG化するつくりの方が有利になる。
このゲーム。パッケージに、映画と同じように出演者としてエレン・ペイジウィレム・デフォーの名が書かれている。
特典映像(メイキング)を観ると、これら有名俳優に実際に演出し、動いて、データ取り込みしている様子がわかる。そして、シナリオが通常の映画の20倍もあるということも。
しかし撮影(データ取り込み)は、スタジオに一ヶ月籠るだけでできたと言っていた。
ほお。
これまでの実写映画の場合、役者さんは「待機」している時間が膨大にあった。
照明や撮影や美術などの準備に多大な時間を取られるからだ。
モーションキャプチャーならそれがない。
危険なシーンでも怪我をすることがない。
天候に左右されることもない。
シナリオが20倍の量あっても、撮影(データ取り込み)は30倍早くできるのだ。
役者さんは顔中にセンサーをつけて演技している。つまり、それだけ細かい表情までデータとして取り込んでいるわけだ。なるほど。
まあ、そんなあたりに感心したわけです。

いちおうマルチエンディングらしいが、無視して、やりこみ要素もやらず、最後まで来たら即座にヤフオクで売ってしまったので、購入金額と売却金額の差が1000円以内でおさまった。このくらいの金額を払う価値はあったと思う。