山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

あばよっ!、マキさん


『散る、アウト。』のスタッフのひとりが、当時も札幌で音楽の仕事をしていたのだけれど、東京に出て、どういうつながりだったかは知らないが、浅川マキのスタッフをしていた。
それで、ある日のこと「PA撤去のバイトしない? コンサートもタダで見れるし」と誘われ、宇野イサムをさそって新宿の紀伊国屋ホールに出向いたのだった。
私にとっては浅川マキは前世代の人たちにもてはやされたジャズ歌手というイメージだった。ところが、ライブを見たらそのアヴァンギャルドさにガツンとやられて、ちょうどPA撤去作業で3000円いただいたので、発売されたばかりのLPレコード「こぼれる銀の砂」2800円を買って帰った。
最初にこの話を持ちかけてきた人が、マキさんに「3000円のバイト代を受け取ったら、それで即座に2800円のレコードを買っていった男がいる」と話し、マキさんが「そいつにぜひ会ってみたい」とかいう話になったらしい。
それが最初。
それで、マキさんのライブを家庭用ビデオで記録することになった。
そのうち、どういうわけか「映画を撮りたい」と言い始めて、16ミリフィルムで映画の断片めいたものを撮影したこともある。
マキさんも映画好きだから、映画の話になると止まらない。私もゆずれないところはゆずれないわけだし、ついついアツくなって、「黙れ、このババアッ」とわめいたこともあったとか(記憶にない)。
そいういうのもマキさんにとってはけっこうツボだったらしい。おもしろがってくれたのだった。ちなみに「幹ちゃん」と呼ばれた。
添付画像は私の『100年後』というヘンな作品のなかで、日記映像として文芸座ル・ピリエ公演でリハをするマキさんがちょろっと見られる部分。向こうでギターを弾いているのは仲井戸麗市
ところでその、マキさんがつくりたがっていた映画ってのは、断片をマキさんじしんがつなぎ合わせて68分の状態の未完のビデオとして、とりあえずまとまっている。そのヴァージョンでカウントしてみたら、ちょうど半分が私がカメラを回した素材だった。(あとから検索してたどり着いた人向けに書いておくと、それらのオリジナルのテープは私が保管しています)
あさっての早稲田大学での授業で、追悼の意味も込めて参考上映しようと思います。いろいろ権利問題とかあるので、これは発売されるものなのかどうかわからない。でも授業での参考上映は、教科書とかでの文章の採用とおなじで、著作権の範囲外に当たるので、もしどうしても見たい人は早稲田大学文学部の36号館2階の「演劇映像実習室」にてあさって20日の18時15分からの授業にもぐりにきてもいいよ。(でもこのことはmixiその他に2次告知はしないでくださいね)
マキさんも「あたしは大学にいってないから、一度行ってもいいかな」と言われて「どうぞどうぞ」と誘ったのだけれど、結局来れなかったな。