北朝鮮の架空の街はディック的
ナショナルジオグラフィックチャンネルにて先月放送した「潜入!北朝鮮」という番組を録画したものをやっと見る。
これはネパールの眼科医に付き添って、アメリカ人ジャーナリストがカメラとともに入って撮ってきた映像が中心。
なかで、韓国との国境沿いにつくられている無人のアパート群の映像が紹介された。
ここで私のPKDセンサーが反応した。というか、この番組を見始めてすぐに針が揺れ始めていたのだった。
ディックの小説にも、かなり多く独裁者が登場する。それらの多くはディックじしんも認めているように、イタリアの独裁者ムッソリーニをモデルとしている。しかしいま、この地球上にある国家で、私の印象からしてもっともディック世界的なのは北朝鮮なのかもしれない。
独裁者とそれを支える官僚たちによる、監視社会ってことではオーウェル『1984年』以来、SFが得意としてきた世界だけれど、ニセモノの街をつくるという要素が加わってくると、これはもうディック世界でしょう。