山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

PKD『高い城の男』


ヒューゴー賞受賞作であるからディックの出世作になるのだろう。
第二次世界大戦でドイツ、日本、イタリアが勝った世界での、例によってサンフランシスコを舞台にした話。
あまりSF的なギミックは繰り出されない。
複数の登場人物による話で、心理描写などもじっくり書き込まれている。設定が「もしこうだったら」という世界なのでSFに分類されるわけだけれど、どちらかというと普通小説に近い感触。
よくできている。しかし、申しわけないことだけれど、よく書き込まれているようなディック作品に用はない。