山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

ミステリーゾーン#69


見ることが習慣化してきたこともあり、PKDとミステリーゾーンをひとつのカテゴリにした。
さてこの#69。設定が現在読んでいるPKD『ブラッドマネー博士』にそっくりだ。
核戦争後のアメリカの田舎町。生き残った人々が細々と暮らしている。大地は汚染されているので、ロクな農産物の収穫はない。人々は疲弊している。添付画像はラストカットだが、右上に車がある。ガソリンが払底しているらしく、車を馬に引かせているというのがトップシーンだ。
町外れに洞窟があって、そこにこもって暮らしている何者かがいる。人々はその「洞窟の人」からのメッセージを頼りにして生き延びてきた。ある種、宗教的な崇拝を受けているようだ。
ネタバレになるのでこれ以上書かない。30分のテレビ番組なので、わりあいさらっと描いて終わってしまったけれど、荒涼とした世界の描写とか、救済が見えないところとか、じつにディックっぽい。ディックっぽいというより、ディックに結実した60年代前半のアメリカSF全体のもたらしたものなのだ。