山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

少年少女の夏休み@neoneo坐


では上映までにプログラムごとに解説書いていきましょう。「3.11以降の8ミリ映画」は大西健児が集めたプログラムなので、それ以外の5プロについて。
順番にいきましょうか。

「青空学校」というのは、そもそもは小学校の先生が中心になって、小学校に泊まってキャンプっぽいことをする催しだったらしい。
「青空学校」でぐぐると、まだ各地でおこなわれていることがわかります。
青空学校のベースになっているのは「少年団活動」というやつで、これはボーイスカウトガールスカウトがちょっと愛国的なニュアンスがある活動であることへのカウンター的活動だと自分は了解しているけれど、まちがっているかもしれません。
ともかく、東村山にも青空学校という活動がありまして、そこではじめて市内でのお泊まり会から脱して、東京都檜原村の廃校に2泊3日のキャンプを行ったときの記録8ミリフィルム。
自分の作品『虚港』のなかで「ちょっと待ってクダサーイ」と出て来る解説おやじや、自転車リクシャーを運転する男などが「指導員」として働いている姿が見られるのが、おもしろいかもしれません。

『おんたキャンプ ’86~白州』はタイトル通り、東村山にある大岱学童クラブの、夏のキャンプの記録フィルム。
どおってことない記録フィルムではあるけれど、やはり併映する『りりくじゅんび』を見たことある人だったら、その舞台になっている学童クラブなので、学童の庭を走り回っていたやんちゃなお子様たちの様子がふたたび見れるところがおもしろいかも。

どちらにしても、これら2つは「この催しの動画での記録」であって、赤の他人に見せることを想定してはいない。
けれども、ホームムービーを見ることのおもしろさを体験してしまった「映像の百万長者」であるような人にとっては、ある意味、背徳的なニュアンスも持ちながら楽しめることだろうと思う。
うまく言えないけれど、商業映画や、商業映画のマネをしている映画が「外食」だとしたら、ホームムービーやこういう各種の記録フィルムは「日常食」のようなものだと思う。
インドに行ったときに、ずうずうしくもごく普通の家庭のメシにまぎれこませてもらったことがあった。
やはりカレー(というか長粒米にカレー味のスープをかけてねりねりして食べるのよ)なんだけれど、食堂で食べるカレーとは明らかにちがって、とても薄味だったっけ。
それよりも、そういう「お店でない普通の家庭」で食事した経験が、じつはインドでの食事で、もっともいきいきと記憶に残っている。
そんなふうに「すげー」と驚き、刺激が強く、脳を揺らされる映画なのに、なぜか翌日には記憶の鮮度がガタ落ちしていることが多々ある。じーんとつい落涙させられちゃったりする映画なのに、帰宅する頃にはもう記憶がおぼろになっていることが多々ある。
けっこう、ホームムービーとか、こういう記録フィルムの方が、見た人間の記憶に長く残留するような気がする。