山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

火葬場と『闇のカーニバル』


本日仕事をしていた建物の屋上に出てみた。
すると何かを燃焼させているような匂いを感じた。
「なんだろう」とまわりを見渡してみると、すぐ近くの建物の屋根に太くて短い煙突が3本あって、そのまんなかから熱気が吹き出しているらしい、その向こうの景色がゆらゆらしている(添付画像がそれ)。
「あ、あそこって」
そうだ、そこは火葬場なのだ。ということは、いままさに、誰か亡くなった人が焼却されている最中なのだろう。
この状況を、インドのバラナシやカルカッタで見た火葬場の光景に重ね合わせてみようとしたのだけれど、イマイチ重なってくれない。アタマでの想像が先行してしまって、イマジネーションの具体的な展開がついていかないのですよ。匂いがからむとこういうことが起こりがちです。
そんな空回りのあと、あることを私は思い出した。
「ちょい待てよ、あそこには行ったことがあるぞ」
それは、たぶん1981年の春(ん、夏だったかな)。
東京の実家に帰省していた私は、山本政志に誘われて、ふたりで都内のいくつかの火葬場を回ったのだった。いま、私が見ている火葬場は、そのときのひとつだ。
もちろんまともに借りて撮影する気などないから、どこか侵入口を探していたのだった。
私はロケハンだけ手伝ったので、じっさいに侵入して撮影がおこなわれた火葬場がどこかは知らない。
映画のタイトルは『闇のカーニバル』。16ミリ映画です。
あとで山本政志に聞いたら、映画でつかっている人間の骨は、ホントに侵入した火葬場にあったものだったそうだ。どこの爺さんか婆さんか知らないが、死んで骨になったあとに映画出演するとは、きっと霊魂も「どひゃー」とびっくりしていたろうな、と、がはがはと笑った記憶がある。