山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

おばさんプロレスの輝き


日本のプロレスの歴史なかで、最大のヒール(悪者)はアントニオ猪木だ。猪木はダークだ。猪木は無法だ。猪木は俺様イチバン、トチ狂っている、そしてとびきり魅力的だ。
女子プロレスでそんなふうな存在は、と考えたときに、思い当たるのは神取しのぶと尾崎魔弓だろう。しかし神取には強さゆえの陽性なオーラを感じるものの、ダークな魅力はない。
女子プロレスがビジネス的に低迷を続けていて、それを打開するための方策のひとつが「確固たるおばさんの魅力を提示すること」だろう。
「おばさんの魅力」これはむずかしい。
若い女はそれだけできれいなイメージを醸し出すし、どのような振る舞いを見せても、それなりに見る価値を生み出す。
中年の年齢になってくるからむずかしいのではなく、自己の発するオーラのみで勝負するしかなくなるからむずかしいのだろう。
WWEのリングに上がっていたメイ・ヤング(80歳代)とファビラス・ムーラ(昨年亡くなりました。死ぬまで現役)は、アメリカ人の好きそうな「とてつもなく元気なおばあちゃん」というテーマに沿っていたけれど、はなつオーラは、ムーラの方が断然上だった。レスラーとしての実績のとおり。
ムーラはそもそも1950年代、白人女性でありながら「奴隷女」という倒錯的ギミックでリングに上がっていた。現在では絶対にありえないギミックだ。ここからして強烈にダークである。
悪は華である。尾崎魔弓はこれからも末永く悪の華を咲き誇らせてもらいたいっス。
(添付画像はそんな尾崎のデビュー前の姿。22年前。まだ少女のおもかげありますね)