PKD『タイタンのゲーム・プレーヤー』
なぜか妙にテンポがよくてエンタメしている。
100ページちょい前あたりで殺人事件が起こり、SFミステリーの様相になる。
そこにエスパー集団vsタイタン星人の超能力バトルが盛り込まれてきたりして、ディック得意の自殺衝動、シミュラクラ(擬人体)、ここはどこ俺は誰、この記憶は何、ロリコン嗜好などディック節全開。
ところが、最後に来て、なぜか急ブレーキがかかってしまうのね。しょんぼりと終わってしまって、後味はあまりよくない。
でも痛快丸かじりに終わったとしたら、それはそれでディックらしくないわけだし、ま、こんなもんでしょう。
積極的にオススメする方には入らないな。順位をつけるとしたら、これまで再読してきたなかではちょうど真ん中ぐらいでしょうかね。