PKD『ジョーンズの世界』
あとで調べるとディックの長編第二作目。なんと1954年の作品。
それにしては宗教的なものとか、後年のディック作品に出て来るものはひと通り揃っている。
だが、読み返してみれば「世界戦争の放射能の後遺症によるミュータント」だとか、機械の描写で「真空管」が使われているとか、50年代SFっぽい単語は散見される。
これまでのように、どこか一部を引用して済ませようとしたけれど、それがないところが第二作ってことなのかもしれない。
「オススメかオススメでないか」ということでは、ディックの翻訳された長編30冊以上のなかではちょうどまんなかぐらいのランキングになるかなぁ。
いちおう、これからじょじょに長編を再読していって、最後には「オススメのベスト10」とかを決めようと思っています。これまで何回か読んで来て、また他人からオススメを聞かれたさいには『火星のタイムスリップ』をまずは推薦していたっけ。それから『ユービック』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』あたり。さて、今度の再読ではどうなるものやら。