山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

亀裂にシンクロする私のなかの何か


街をうろついていて、ふと足をとめ、心惹かれてしまうもの。それは廃墟・廃屋であったり、投棄車両であったり、落書きであったり、錆びとか、つっかえ棒であったりするのだけれど、そのひとつに「亀裂」がある。
まずは代表的なパターンからいってみよう。これはじつは先日の「夜到着した東京のはずれの公設ホール」の、その写真の正反対に見えるたもの。立っている位置はほぼ同じで、カメラの向きが180度反対になる。
ビルの屋上にある部分の壁に、亀裂の修復がほどこされている。白い補填剤で亀裂を埋めて、屋上であることから、とくに塗装はせずにいるものだ。修復した箇所が白く目立って、地図の川のようにも見える。
あるいは古代に、亀の甲羅を火にあぶって、そこでできた亀裂によって吉凶を占ったという行為を思い出したりする。
もひとつ観念的なことを言わせてください。都市部ってのは、建造物や道路によって、過去の地形を失ってしまっているわけだ。しかしその過去の地形の記憶(誰の記憶? 土が記憶しているってことかな)がにじみ出してきて、表皮である建物の壁面になにかの図形を描く。そんなふうにも妄想できたりして。