山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

東京の路地は猫と植物


以前「世界じゅうの路地がつながっている映画」を計画したことを書いた。
東京の路地を歩いていて、ひょいと曲がるとロンドンの路地、またひょいと曲がるとバラナシの路地、というふうに空間をワープしていくのだけれど、なぜそうなるのかは物語のなかでは説明されない。「すくなくともこの映画世界のなかではそうなってんのよ」という開き直った態度で進行していく映画。
そんな想いをいまだ引きずりながら東京の路地を探索していると、あらためて「植物が多いなぁ、あと猫も」と思う。これが東京の路地の他国とは大きく異なる特徴ではないだろうか。狭い水路敷なのに、その半分ぐらい鉢植え植物が占領している光景はフツーに見られる。世話する人がいなくても雑草が生え、陽が当たらなければ苔むしてくる。
「東京はいつか緑に覆われるだろう」。これは関根博之さんの『U・O』の最後に出てきた字幕だ。いや、そんなことはとっくの昔に『ロビンソンの庭』で表現したことじゃないか。
自分なりの、路地についての、その次の表現のしかたは、まだ見えない。やはり足でかせぐしかないだろう。文化人類学を専攻して先生方に教わったのはそういうことだったわけだし。
(添付写真は渋谷区本町5-20。ムエン通信の路地コーナーにも同じ位置から撮った画像があるけれど、ここは12年たっても変らないですな)