山崎幹夫の各種センサー

8mmfilmの情報を提供&映像制作ノートとして始まったが、8mmfilmの死去で路上観察ブログになり、現在はイベント告知のみ

地方都市の有利な点(仲間の集めかた2)


むかし話の続き。
札幌は当時は140万都市だったと思う。このくらいの地方都市だと、人と人の交流がやりやすいという利点がある。
あらゆる表現ジャンルのなかで、映画はもっとも他人のフンドシで勝負してしまう、してしまうことができる、もしくはうまく才能をミックスする技術を競えるシロモノだ。あらかじめコラボである表現形式だと言ってもいいだろう。
ひとりでつくることもむろん可能だけれど、表現の幅が狭められてしまう。若いうちはとかく心細かったり、自分のしたいことははっきりしていてもコントロールがきかなかくて暴走しがちなので、そういう意味でも仲間が必要だ。
しかし映画好き、あるいは表現がしたいけどなんの取り柄もないボンクラばかりが集まってもしかたない。その映画が劇映画だとしたら役者が必要だし、音楽をつくれるやつも必要だ。
札幌だとそういう、映画でないジャンルの表現行為をしている人間と知り合うことが容易だったのだ。東京だとなかなかそうはいかないジャンル別に発表する会場も異なるし、そういう連中が集まる飲み屋も違ったりする。
地元の演劇グループと知り合うのも簡単だし、音楽(当時はパンクスばかりだったが)の連中も同じ飲み屋に出入りしていた。こんなふうに自主映画が地方都市の特性を生かしてつくられるのは、他にもいろいろとあるはずだと思っていたが、どういうわけか後に見渡したところ、札幌以外で成功したのは浜松のイメージマーケット(のちのシネマヴァリエテ)ぐらいだったのは意外だ。浜松の特殊事情の話はまたいずれ。